平成20年2月 第2303号 (2月6日)
■地域の2金融機関と協定 足利工大が地域貢献の強化で
足利工業大学(吉田忠雄学長)では、昨年七月に商工組合中央金庫足利支店、同十一月に桐生信用金庫と、それぞれ産学連携に関する協定を締結した。
同大学は協定により、研究成果のシーズと地域企業の技術ニーズのマッチング、金融機関の取引先からの技術相談に関する支援、地域企業の技術ニーズの情報収集・提供等を行う。
協定を締結した背景として、金融機関では、地域企業等の取引先への融資等を検討する際、その企業が所有する技術等の相談になることもあるが、具体的な技術内容については金融機関の職員には分からないケースが多かった。そこで、金融機関から大学への協定の申し入れがあり締結の運びとなったもの。大学からの技術的な情報提供や支援を行えるようにするとともに、より効果的・効率的な大学の研究シーズと地域企業の技術ニーズとのマッチング、金融機関の取引先からの技術相談に関する支援等も行うこととなった。
同大学は、こうした相談を地域貢献の一環と位置付け、原則として無料で取り組む。また、委託研究や共同研究、現場に出向いての技術指導などを行う際には、契約書を取り交わして経費を分担する。
同大学総合研究センターの君島室長は、これらの協定について「両金融機関にとって、大学と連携することにより、企業から金融支援の相談があった場合、素早く対応できるのではないか」と語る。
なお、桐生信用金庫では、来る三月に、取引先企業八〇社が出展するビジネスマッチングフェアを開催、同大学以外にも、群馬大学や前橋工科大学等も参加し、産学間の交流を活性化させる。