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平成20年1月 第2302号(1月23日)

鎌倉女子大学「建学の精神」の話 知と心の教育 福井一光 著

 筆者は、はじめに私学に学ぶ最も重要な意義は、創設者が如何なる人づくりを願ってその学園を創設し、そこに学ぶ一人ひとりに何を期待し続けたのかという固有の想いを理解することにある。その想いは、その時代時代を担った先人たちによって受け継がれ、いつしか伝統を形成し、そこに自ずと官学とは異なるその私学固有の個性を醸し出していく。国公私立数多ある大学の中にあって、その私学の存在理由、またその私学に集う私たちの誇りもまた、そこにある、としている。
 同書は鎌倉女子大学の創設者・松本生太氏の「建学の精神」を筆者なりに解き明かし、若い学生を念頭に出来るだけ平易な文章で記述されている。
 教育はイデオロギーとは全く無縁な存在であり、「建学の精神」をひとりの教育者として、まとめることはせず、創設者が掲げた建学の精神に立ち返り、そこより教育の指針を摂取しながら、自らが担当する時代の課題に果敢に挑戦すると記述している。
 第一章 創設者と歴史、第二章 教育の理念、第三章 教育の目標、第四章 教育の姿勢、第五章 教育の方法、第六章 教育の体系で構成され、各章でプラトン、ゲーテ、西田幾多郎などから引用文が掲載されている。
 知と心の教育―鎌倉女子大学「建学の精神」の話―
 四六判二四四頁、定価(本体二〇〇〇円+税)、発行所(株)北樹出版、TEL〇三―三七一五―一五二五(代)。

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