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平成20年1月 第2302号(1月23日)

秋山 仁氏が基調講演 東京理大が教員養成シンポ

東京理科大学(竹内 伸学長)は、去る一月十二日、東京都内のホテルにおいて、教員養成GPの報告となる「理数教員養成におけるSTCプログラム開発」を開催した。
 学校の現場で、様々な改革が進められている中、理数教育の充実は、今後の学校教育の柱である。同大学は、平成十八年度に、教員養成GPにおいて「理数教員養成におけるSTCプログラム開発」が採択された。これは、専門的理数教科指導力と実践的生徒指導力を有する高等学校教員養成をサポートする総合的なキャリア支援プログラムの開発であり、STC(school To Career)と命名し、二年間取り組んできた。
 開会の挨拶で、竹内学長は「生徒の理科離れ等を背景に、本学の強みをいかし、科学技術立国に貢献すべく、教員GPを採択した。優れた教員を養成していきたい」と述べた。
 基調講演では、テレビ等でお馴染みの秋山 仁東海大学教育開発研究所長・教授が「理数教育の問題点と今後の道標」と題して行った。秋山所長は、まず、「教育によって、むしろ向上心を抑える教育をしていないだろうか」と疑問を投げかけ、様々な角度から、教育の問題を指摘、これから求められる「新学力」について、ユーモアや事例を交えながら紹介した。その中で、@実験、物づくり、討論型の学習、A好奇心の喚起、B生徒主役の参加型授業、C思考のプロセス重視の教育、D加点主義、E個性の尊重、価値観の多様化、F生活密着、現代文明に直結した学習等、改革案を七つ挙げた。
 続いて、同大学のプログラム開発の成果報告に移った。まず、八並光俊理学部教養科教授が、「理数教員のための総合的キャリア教育」と題して、教員課程の学生の進路意識を高めるキャリアガイダンスの実践、キャリアカウンセリングシステムの開発等を発表した。次に、清水克彦理学部数学科教授が、「STCセンターにおける数学教育の取り組み」と題して、授業力や教材開発力向上のための取り組み、大学院までを踏まえた数学科教員の養成システムの研究について発表した。三つ目の報告として、川村康文理学部物理学科准教授が、「わかる・おもしろい・ためになる」理科教育と題して、学生の理科指導の自信力を高める事例を発表、最後に、宮岡悦良理学部数学科教授が、「教職採用試験などのためのWebを用いたテストシステム」と題して、Webを利用して教員採用試験を想定したテストシステムを開発、授業の補助として使用している事例を紹介した。その後、質疑応答と、同大学総合研究機構の実践報告が行われ、閉会した。

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