平成20年1月 第2302号(1月23日)
■生涯学習振興方策 答申素案まとめる
去る一月二十一日、第四期中教審生涯学習分科会は、平成十七年六月に第三期中教審が文科大臣より「新しい時代を切り開く生涯学習の振興方策について」の諮問を受けて審議されてきた内容を、答申素案として取りまとめた。
答申素案では、生涯学習の振興に対して高まる必要性や重要性等、社会からの要請について触れるとともに、今後国民が必要とする力やそのための生涯学習について述べ、それらを受けて、生涯学習振興行政・社会教育行政が目指すべき方向性とその具体的な方策について提言している。
「新しい時代を切り開く生涯学習の振興方策について」を考える上で、社会がグローバル化していく中での国際性と、日本、あるいは地域のアイデンティティの理解を深める必要性があるとし、また、地域社会全体で目標を共有化し、「知の循環型社会」を構築すべき、などといった内容がまとめられている。
社会全体の教育力の向上を目指し、子どもの「生きる力」を身につける環境、成人の様々な学習機会を支援すること、さらに企業が地域に果たす役割も大きいとした上で、企業としての教育力や資源の活用を促している。大学等の高等教育機関と地域の連携という観点では、大学等の地域貢献機能の強化・拡大等を国又は地方公共団体が支援することも重要としている。また、大学等による再チャレンジ支援、学習成果の評価の社会的通用性向上のため履修証明制度の活用を図ること等も盛り込まれる。
同分科会は意見募集した上、最終的な答申を二月にまとめる予定。