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平成20年1月 第2301号(1月16日)

堀川清司氏ら9名 日本学士院新会員」

 日本学士院(久保正彰院長)は平成十九年十二月十二日の総会において、九人を新会員に選んだ。この結果、会員数は一三八人となった。
 同院は、明治十二年に創設された東京学士会院を前身とし、明治三十九年に帝国学士院に、昭和二十二年に日本学士院と改称された。
 新会員と主な業績は次のとおり。(敬称略)

【第一部】
 難波精一郎(なんば・せいいちろう)75歳。
  大阪大学名誉教授(心理学)。国際的にも著名な音響心理学の第一人者。「カテゴリー連続判断法」を開発して、複雑な変動音と機械音の研究への道を開いた。兵庫県川西市在住。
 玉泉八州男(たまいずみ・やすお)71歳。
  東京工業大学名誉教授(英文学)。研究の対象は、論文、著書、編著、学術研究書の翻訳など、終始一貫してシェイクスピアとその時代に関するもので、特に『女王陛下の興行師たち―エリザベス朝演劇の光と影』は高く評価された。東京都小平市在住。
 ▽青柳正規(あおやぎ・まさのり)63歳。
  国立西洋美術館長、東京大学名誉教授(西洋美術史)。古代ローマ遺跡ポンペイを研究、欧米の専門家に呼びかけて、学術的解説を施した美術書を完成させた。東京都千代田区在住。
 ▽西尾 勝(にしお・まさる)69歳。
  東京市政調査会理事長、東京大学名誉教授(行政学)。日本の行政を分析するための基礎概念と学問体系の構築に貢献。また、都市行政・地方自治の実証的研究に高い業績を挙げた。東京都武蔵野市在住。
【第二部】
 ▽外村 彰(とのむら・あきら)65歳。
  (株)日立製作所フェロー(物理学)。電子線ホログラフィーを世界ではじめて実用化に成功、これを用いてアハラノフ・ボーム効果を完璧な形で検証する実験を行い、“ゲージ場理論”の基礎を築いた。埼玉県比企郡在住。
 ▽柏原正樹(かしわら・まさき)60歳。
  京都大学数理解析研究所長・教授(数学)。世界的なリーダーとして代数解析学の革新と発展、その応用を主導し、現代数学の中に大きな流れを作った。京都府京都市在住。
 ▽堀川清司(ほりかわ・きよし)80歳。
  武蔵工業大学名誉教授(土木工学)。海岸工学を学問の一分野として確立する上で貢献し、漂砂現象の解明と海浜変形予測手法を開発した。東京都三鷹市在住。
 ▽喜田 宏(きだ・ひろし)64歳。
  北海道大学教授(獣医微生物学)。インフルエンザの疫学研究を地球規模で行い、ウイルスの遺伝子解析と感染実験など広範な研究を展開した。札幌市在住。
 ▽須田立雄(すだ・たつお)72歳。
  埼玉医科大学客員教授(歯学)。生体のカルシウム代謝を調節するビタミンDの代謝調節、作用のしくみ、活性型ビタミンDの基礎研究に取り組んできた。東京都立川市在住。

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