平成20年1月 第2300号(1月9日)
■アジア民俗造形文化研
金子量重氏が韓国文化勲章を受章
駐日韓国大使館韓国文化院(姜基洪院長)は、平成十九年十二月十一日、東京・港区の国際文化会館にて「金子量重先生韓国文化勲章受賞記念講演会並びに祝賀会」を、(財)日本高等教育評価機構専務理事・事務局長(前本紙編集長)の原野幸康氏ら多くの関係者を招いて開催した。
今回の講演会と祝賀会は、アジア民族造形文化研究所長の金子氏が、平成十九年十月十八日に文化発展への功績で、大韓民国文化勲章を受章したことを記念して行われた。
祝賀会で金子氏は、「この度は、はからずも韓国大使館より文化勲章を拝受し、大変光栄に存じます。私がアジアに向けて猛烈に歩き出した最大の要因は、高句麗、百済などの大陸文化が日本古代文化の形成に大きな影響を与えたことによります」と挨拶した。
金子氏は、韓国国立中央博物館に、ミャンマーやブルネイをはじめとするアジア民族造形資料一○三五点を寄贈したほか、国立民俗博物館へさまざまなアジア諸民族の生活と造形を写した一万点にも及ぶ写真資料を寄贈している。
金子氏はまた、日本国内においてもさまざまな資料収集等の功績から、平成十八年には紺綬褒章を受章している。さらに、同氏は本紙「教育学術新聞」に昭和五十五年五月から「日本とアジア―生活と造形」をテーマに各界の研究者を迎えての座談会を行い、それらは貴重な資料として保存されている。
続いて、「韓国と私、そしてアジアへ」と題した講演会では、人との巡りあい、日本の造形技法に大きな影響を与えた韓国伝統の匠の技の紹介や、アジアの諸民族が伝承し、造形してきた衣・食・住、信仰、学び、遊び、芸能、生産・交易に関する「民族造形」についても解説した。