平成20年1月 第2300号(1月9日)
■私立大学等のマネジメントセミナー開催
経営改善取組みの成功事例等に学ぶ
日本私立学校振興・共済事業団(鳥居泰彦理事長)は、平成十九年十二月十一日、東京・千代田区の法政大学市ヶ谷キャンパス(外濠校舎薩ホール)において、平成十九年度私立大学・短期大学マネジメントセミナーを開催した。
一八歳人口の減少に伴い私立大学等の経営環境が一層厳しさを増す中で、私立大学等は特色ある教育・研究を展開することはもとより、地域貢献、企業との共同研究、人材育成等を通じて教育改革を推進するとともに、経営体制の強化と財政基盤の充実が重要な課題となっている。
そこで同事業団では、文部科学省の委託事業「大学経営強化調査研究」の成果、同事業団の調査収集した経営改善の取組み事例等に基づいてのセミナーを開催した。
はじめに、事業団報告@「私立大学・短期大学の特色ある取り組み」として、同事業団の小林一之情報支援室副主幹から多岐にわたる改善事例報告が行われた。
同氏は、近年の私立大学等の入学志願動向、規模の推移と財務状況など、厳しい経営環境をデータで示したうえで、経営強化に係わる事例として、経営方針の明確化と共有化、徹底的な他大学との比較と情報収集、情報発信(マスコミ等への情報公開とパブリシティの活用)、アイデアの活用(自由な発想をすべて吸い上げる)、学生募集活動の在り方、自校愛(帰属意識)の堅持、学生を愛し枠を超えた学生へのサービス、理事長や学長のリーダーシップ、地域密着など多くの具体的事例を詳細に紹介した。
事例研究では、「キャンパスアメニティとキャリア教育」と題して、法政大学の上遠野秀夫施設部長が同セミナーの会場となった同大学の外濠校舎の説明と学生を中心に据えたキャンパスアメニティとキャリア支援・キャリア教育の取組みについて解説した。
事業団報告A「私学経営の今後の課題」として、同事業団の比留間 進情報支援室長が、これからの職員の役割、職員の意識改革(顧客意識、学生を愛すること、帰属意識の高揚)、職員の行動改革(枠を超えて働くこと、視野を広げること、教育との関わり、アイデア)など私学経営に欠かせない職員の意識改革、行動改革の必要性を強調した。