平成19年12月 第2298号(12月19日)
■文教関係国会議員に要望 予算税制改正要望実現へ 私学振興協議会
文教関係国会議員に要望を説明
全私学連合(安西祐一郎代表)は、去る十二月五日、自由民主党本部において私学振興協議会を開き、文教関係の主要国会議員に平成二十年度私立学校関係政府予算及び税制改正に関する要望を説明し、理解を求めた。
私学側からは、安西代表が「骨太の方針による厳しいしばりがあるものの、我が国の教育は私学が支えている。要望内容をご理解いただくとともに、要望実現にご尽力をお願いしたい」と挨拶を述べ、各団体ごとに要望項目等を説明した。
はじめに、日本私立大学団体連合会・日本私立短期大学協会・日本私立高等専門学校協会の要望を安西代表が説明した。要望の基本方針は、国立大との格差是正と公財政支出のGDP比率を国際水準の一%への拡大であり、重点項目に地域の振興と活性化に向けた取り組みに対する重点的な支援、大学・大学院改革への取り組みに対する支援の拡大を挙げ、重点要望事項として@私立大学等経常費補助金三三五〇億五〇〇〇万円(対前年度七〇億円増)のほか、A私立大学・大学院等教育研究装置施設整備費補助一四九億二〇〇〇万円、B私立大学等研究設備等整備費補助六四億四〇〇〇万円、C科学研究費補助金の拡充二一七四億八〇〇〇万円、D人文・社会科学分野の振興と重点的支援一一億三〇〇〇万円などを説明した。
そのほか、日本私立中学高等学校連合会等の要望を吉田 晋副会長、全日本私立幼稚園連合会の要望を藤本明弘政策委員長がそれぞれ説明した。
議員からは、中山成彬文教制度調査会長(元文科大臣)が「二十年度の予算編成も厳しいが、教育関係はがんばらなければいけない。PISAの結果を見ても、教育に力を入れなければと思う。時代を作っていくのは私学だ」と理解を示した。また、保利耕輔議員(元文部大臣)は「学部学生一人に投入する国費は、国立大が私立大の一六・三倍にもなっている。これでいいのだろうか」と述べた上で、「改正教育基本法に「私立学校」「大学」が新たに規定された。法律に書かれた以上、充実させなければならない」と強調した。
そのほか、「地域振興にとって大学はどう役立っているのか」などの問いかけもあり、「私学は、まさにそのことをやろうとしています」などと説明した。
税制改正については、学校法人に対する寄附促進のための措置の拡大として@個人からの寄附金にかかる所得控除限度額の上限を(四〇%から)五〇%まで拡大すること、A所得控除限度額の上限を超えた場合に、五年間を限度に繰り越して控除できるようにすることの二点を重点要望として理解を求めた。
なお、私立大学団体連合会からは、安西会長のほか大沼 淳副会長、廣川利男副会長、北元喜朗副会長が出席した。