平成19年12月 第2298号(12月19日)
■研修会伴う6研究委「合同研究会」を開く
教務・図書館・学生生活・就職・経理財務・事務
相互連携・研修の在り方など協議
日本私立大学協会(大沼 淳会長)は去る十二月五日、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷において、企画財務委員会(担当理事=廣川利男東京電機大学学園長)の主催による「合同研究会」を開催した。同研究会では、研修会を伴う「大学教務研究委員会」「大学情報図書館研究委員会」「学生生活指導研究委員会」「就職委員会」「大学経理財務研究委員会」「大学事務研究委員会」の平成十九年度の調査研究及び研修会等の事業推進状況を報告するとともに、今後への課題やより一層の充実方策などを協議した。さらに、平成二十年度の各委員会の事業推進に向けての相互調整や新たな展開など、研修会の在り方を中心に協議した。
開会に当たり、廣川担当理事より「平成二十年度の各委員会活動については、委員等の改選を迎えることから、より効果的な委員会の在り方を協議し、次年度に引き継いでいきたい」との開会の挨拶があった。
協議の前に今年度、逝去された大学情報図書館研修委員会委員長の吉村善太郎氏(京都外国語大学図書館副館長)及び就職委員会委員の橋研二氏(中央学院大学就職部長)に黙祷を捧げた。
協議に入り、はじめに、小出秀文事務局長が「平成十九年度の各委員会活動は、事業計画の重点目標として掲げた諸事業に沿って推進していただいている。これらの活動は協会と加盟校を結ぶ重要なものと位置づけている。また、専門的な研究の他、各委員会には「共通課題への政策提言」として、各種審議会等のヒアリング対応の意見まとめもお願いしている。さらに、外部他機関等との連携なども重要な活動である」などと各委員会活動の重要性を訴えた。
引き続き、各委員会の推進状況については、担当理事、あるいは委員長、副委員長から説明された。
大学教務研究委員会
(担当理事=小出忠孝愛知学院大学学院長・学長、委員長=橋本弘一帝塚山大学特別顧問・理事)
橋本委員長が説明。
主要研究課題=中央教育審議会「学士課程教育の再構築」や「教員免許更新制の導入」の審議動向に係わる研究・分析、さらに「共同学部・共同大学院(仮称)」の活用方策等の研究など。
研修会=「大学教育力の強化」をメインテーマにFD・SDのほか「教員と職員の協働」などを取り上げた。
大学情報図書館研究委員会
(担当理事=石田恒夫広島経済大学理事長・学長、委員長=吉村善太郎京都外国語大学図書館副館長(故人))
殿ア正明副委員長(日本医科大学図書館事務室長・教育推進室)が説明。
主要研究課題=学術情報への対応(IT対応等)に関する調査・研究、大学教育と大学図書館の連携・強化方策など。
研修会=「大学図書館における教育活動」をメインテーマに事例研究のほか学部資金の活用方策などを研究。
学生生活指導研究委員会
(担当理事=蛹ウ明東北薬科大学理事長・学長、委員長=濱田勝宏文化女子大学理事・副学長・服装学部長・教授)
蜥S当理事が概要を述べ、濱田委員長が説明。
主要研究課題=大衆化・多様化・国際化・生涯学習化等の進展の中で、新たな指導の在り方、学生支援等について調査・研究。
研修会=「人間力を育てる」をメインテーマに、学生中心の大学の在り方、ボランティア活動、大学の危機管理などについて講演、事例発表など。
就職委員会
(担当理事=大橋秀雄工学院大学理事長、委員長=浦田雄司日本福祉大学キャリア開発部次長)
大橋担当理事が概要を述べ、浦田委員長が説明。
主要研究課題=就職指導・キャリア教育の在り方及び多様化する雇用形態・採用形態等の調査・研究、他団体・機関等との連携・協力など。
研修会=「多様な学生に対するキャリア教育と就職支援」をメインテーマに新たな大学像、キャリア形成の事例発表、女性就労など、就職指導の在り方を中心に実施。
大学経理財務研究委員会
(担当理事=原田嘉中千葉商科大学理事長、委員長=長谷川 昭北海学園大学法人事務局長)
原田担当理事が概要を述べ、相原安夫副委員長(武蔵野音楽大学経理部長・教授)が説明。
主要研究課題=学校法人会計制度、財政安定化及び財務の充実等、学生納付金調査など。
研修会=関係法令、会計基準、予算編成管理等の理解を目的とする講習形式の「基本研修」、私学経営環境の動向等の「総合研修」、私大財政等の「設定課題別研修」などを実施し、参加形態を三コースから選択できるようにした。
大学事務研究委員会
(担当理事=香川達雄女子栄養大学理事長、委員長=丸山徹薫武蔵野音楽大学理事・総務部長)
香川担当理事が概要を述べ、丸山委員長が説明。
主要研究課題=私立大学の社会的責任とマネジメント(コンプライアンスマネジメント、説明責任・情報公開、監査体制・内部監査制度)ほか。
研修会=「私立大学の社会的責任とマネジメント」をテーマに、講演・研究発表・事例発表など。
各委員会からの報告の後、来年度の活動、研修事業の状況等について、効果的な在り方や相互連携等の意見交換が行われた。
「教務のFD関連で、学生のキャリア教育などきめ細かな指導に係わって学生生活指導研究委員会との連携が必要」「学生生活指導では就職委員会との密接な関係があり、活動の企画段階で連携していきたい」「教員と職員の“協働”もテーマとして取り上げたいが、二泊三日の研修会だと教員の参加が難しい」「他の団体等の研修会・協議会等との内容の重複があったりして、参加者が少ないケースもあるので、調べてみてはどうか」「研修会にほとんど出席しないところにも何らかの声がけをしてみてはどうか」など、多様な意見が出された。
このほか、加盟校へのアンケート等も参考に、平成二十年度の事業活動案を立案していくことになった。