平成19年12月 第2297号(12月5日)
■[新刊紹介]
逐条解説 改正教育基本法
田中壮一郎監修 教育基本法研究会編著
同書は、文部科学省生涯学習政策局長として、教育基本法の改正に携わった前文部科学審議官の田中壮一郎氏(現・国立青少年教育振興機構理事)の監修によるもので、本編として各条文の「逐条解説」とその補足としての「国会審議の論点」を中心にまとめられている。また、資料編として、教育基本法に関連する各種資料も収録されている。
全体の構成は、
「序論」
「前文」
「教育の目的及び理念」
▽第1条・教育の目的
▽第2条・教育の目標
▽第3条・生涯学習の理念
▽第4条・教育の機会均等
「教育の実施に関する基本」
▽第5条・義務教育
▽第6条・学校教育
▽第7条・大学
▽第8条・私立学校
▽第9条・教員
▽第10条・家庭教育
▽第11条・幼児期の教育
▽第12条・社会教育
▽第13条・学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力
▽第14条・政治教育
▽第15条・宗教教育
「教育行政」
▽第16条・教育行政
▽第17条・教育振興基本計画
「法令の制定」
▽第18条・法令の制定
「補論」
「資料編」
となっており、例えば第8条の私立学校では、「国会審議の論点」として、私立学校の規定を新設した趣旨について、当時の小坂憲次文部科学大臣の「我が国の私立学校は、独自の建学の精神に基づきまして、個性豊かな教育研究活動を積極的に展開しておるわけでありまして、例えば大学におきましては、全大学のうちの八割が私立大学、私立で占めている。こういう現状にあるわけでございまして、我が国の学校教育の質、量の両面におきまして、この発展に大きな役割を果たしてきたという事実があるわけでございます。このような私立学校の果たす役割の重要性にかんがみて、国、地方公共団体が私立学校教育の振興を図るべき旨を新たに規定することとしたわけでございます」といった答弁を紹介している。
また、資料編には、「旧教育基本法制定の経緯」や「教育勅語」(全文通釈付、明治二十三年十月三十日)なども収録されている。
定価 本体2,800円+税
発行所:第一法規株式会社
TEL:03-3404-2251