平成19年12月 第2297号(12月5日)
■留学生の研究発表会
(学)日本医科大学(赫 彰郎理事長)では、去る十一月十七日、日本医科大学(荒木 勤学長、医科大)と日本獣医生命科学大学(池本夘典学長、獣医大)の在籍外国人留学者を対象とした、第一八回研究会を医科大千駄木校舎で開催した。
同法人では在学の外国人留学研究者が、多彩な研究目的を持ち、医科大各教室・研究室・付属病院医局・研究所・獣医大に配属され、それぞれ研究生、客員研究員、大学院生等の多様な資格・名称で多角的に受け入れて外国人留学者の教育・研究指導に対応をしている。今回の発表者は一三名に絞られその出身国は中国、モンゴル、ネパール、ミャンマー、トルコ、エジプトであった。
学校法人では二大学の多様な外国人留学者を、国際交流センターで総合的な管理を実施している。発表会の運営も同センター主催で、当日は在籍の留学者が司会進行を担当した。各発表分野の座長を務める教授、関係教授、講評審査を委嘱された教授が、終日詰め切って留学者の発表を見守り、審査による表彰の授与は研究者の大きな励みとなっており、他の大学では殆ど類例のない留学生教育対応の在り方であり、留学者にとっても誠に有意義な行事となっている。
当日は、小澤一史教授(解剖学・生体構造学)が開会の挨拶を述べ、平素各部門に所属している外国人留学研究者一三名が、質の高い日頃の研究成果を発表し、教授、医師、同僚研究員などとも活発な質疑応答が交わされた。
セッションの座長(学内指導教授)と研究発表者は次のとおり(課題・所属・発表者名の順(研究協力者氏名略)敬称略)
第一セッション(座長)小竹佐知子(獣医大学乳肉利用学)
@犬の健康骨髄由来と脂肪由来間葉系幹脂肪の比較。獣医大、獣医外科学。趙 東威、AL. monocytogenesの分子進化学的解析。獣医大、獣医公衆衛生学。Batmunkhu Otgonchimeg、B高血圧自然発症ラット(SHR―SP)の血液脳関門におけるNG2陽性グリア細胞の局在について。医科大老人病研究所医科大神経内科。賀 岩、C共焦点顕微鏡によるSHR―SPラットにおける大脳血管構築の三次元解析。医科大老人病研究所医科大神経内科。侯 惠 蓮。
第二セッション(座長)佐久間康夫(医科大システム生理学)
D異性の匂いと同性の匂いの異なる処理機構。医科大、システム生理学。SunilDhungel、Eびまん性肺胞障害(DAD)における筋線維芽細胞(MP)とコラーゲン産生。医科大解析人体病理学。康 徳東、Fキサンチン脱水素/酸化酵素の変換とブチロフィリンの相互作用。医科大生化学・分子生物学(構造生物学・代謝学)李 頴、G家族性大動脈瘤における遺伝子変異同定システムの開発。医科大生化学・分子生物学(分子遺伝学・栄養学)。Banyar Than Naing、H悪性リンパ腫の新規遺伝子治療の開発。医科大生化学・分子生物学(分子遺伝学・栄養学)、王 軼卓。
第三セッション(座長)百束比古(医科大、形成外科学)
I甲状腺腫に対する内視鏡補助した頚部手術への考察。医科大外科学(内分泌・心臓血管・呼吸器部門)。Waleed Abo-Elwafa、J内視鏡外科手術手技トレーニングにおけるProMIS:バーチャルリアリティーシミュレータの有用性。カトマンズ医科大、医科大外科学(消化器・一般・乳腺・呼吸器部門)。Suman Shrestha、K腰部脊椎狭窄症の腰椎部体性及び運動誘発電位研究。医科大、山東大付属斉魯医院骨科。劉 新宇、L拡張された皮弁に対する脂肪組織幹細胞の影響。医科大形成外科学。Ahmet Cagri Uysal、M皮膚創傷治癒における脂肪組織幹細胞の影響。医科大形成外科学。Ahmet Cagri Uysal。
発表後は、会場を医科大第一講堂に移し、関係者を交えて交流懇親会が開かれた。懇親に先立ち、研究会終了後直ちに行われた選考会での審査の結果が島田国際交流センター長から次のように発表され賞状が授与された。
▽優秀賞(二名)H王 軼卓(中国)、DSunil Dhungel(ネパール)、▽特別賞(一名)@趙 東威(中国)、▽奨励賞(二名)GBanyar Than Nain(ミャンマー)、LAhmetCagri Uysal(トルコ)
表彰の後は平素各部門に分かれて交流の機会の少ない外国人研究者の交流の輪が広がり、和やかに歓談で盛り上がった。