平成19年11月 第2296号(11月21日)
■20年度から5年間の基本計画 基本的な考え方・重点的事項を協議
中央教育審議会の教育振興基本計画特別部会(三村明夫部会長)は、去る十一月八日、東京・千代田区の全国都市会館で第九回会合を開き、これまで検討を重ねてきた教育振興基本計画について、基本的な考え方、重点的に取り組むべき事項を取りまとめ、公表した。
今後求められる教育施策の基本的方向は、改正教育基本法の理念の実現に向けて、概ね一〇年間を見通して政府が目指すべきもので次の四つの柱がある。なお、同計画では、この四つの基本的方向に基づいて、今後五年間に政府が目指すべき目標と具体的な取組を示す必要がある。
@社会全体で教育の向上に取り組む、A個性を尊重しつつ能力を伸ばし、個人として、社会の一員として生きる基盤を育てる、B教養の厚みを備えた知性あふれる人間を養成し、社会の発展を支える(大学に関しては、教育・研究・社会貢献の役割を踏まえ、個性・特色の明確化を図る)、C安全・安心で質の高い教育環境を整備する(学校施設の耐震化等)、また、公教育の一翼を担う私立学校の一層の振興を図るのと同時に、家計の教育費負担の軽減に向けた取組を進める。
さらに、これら四つの基本的方向のそれぞれについて、重点的に取り組む事項を具体的に掲げた。
@の基本的方向では、社会のニーズに応える人材育成のため、産業界・地域社会との連携など、いつでもどこでも学べる環境としての「学び直し」機会の充実と学習成果を社会で生かすための仕組みづくりなど、Aの基本的方向では、教員免許更新制の円滑な実施等による優秀な教員の養成など、Bの基本的方向では、社会の信頼に応える学士課程教育等の実現、大学等の教育研究を支える基盤の強化など、Cの基本的方向では、私学助成の充実、学校法人に対する経営支援など私立学校の振興策を充実すること、教育の機会均等の観点から奨学金事業等の充実を図るなど、教育費負担を軽減することなど。
同特別部会では、この「基本的な考え方」と「重点的に取り組むべき事項」について、十二月十一日まで広く意見を募集している。文科省のホームページ(http://www.mext.go.jp/)を参照の上、郵送・FAX・電子メールで提出すること。宛先=〒100―8959東京都千代田区丸の内二―五―一、文科省生涯学習政策局政策課教育改革推進室振興計画係、FAX=〇三―六七三四―三七一一、電子メール=アドレスはホームページに掲載するが、件名を「教育振興基本計画に関する意見」とする。意見提出に当たっては、氏名(法人等の場合は名称及び代表者名)、性別、年齢、職業、住所、電話番号等も記す。