平成19年11月 第2295号(11月14日)
■学校法人の存立基盤を確たるものに 杉野私学行政課長招き発展構想委
日本私立大学協会(大沼淳会長)は、去る十一月一日、東京・市ヶ谷の同協会会員室で第六回(平成十九年度第二回)私立大学発展構想委員会(黒田壽二担当理事)を開き、文部科学省から杉野 剛高等教育局私学部私学行政課長を招いての学校法人の強化に関する研究・協議を行った。
黒田担当理事の挨拶に続いて、杉野氏が@株式会社と大学、A国立大学と私立大学、B理念的な私立大学と現実の私立大学といった視点から、私学行政を振り返った。特に@では、経営と教学の緊張感こそ私大経営の醍醐味ではないか、学校法人の公益性とは何か今一度考えたいなど、Aでは、「全日本大学長・理事長会議」(仮称)は、いつか出来るのだろうか?、適度な競争と適度な連携という感覚の重要性、Bでは、寄附行為の重みなど、同氏の思うところを率直に述べた。
これを受けて、小出秀文事務局長は、「多岐にわたるお話をいただいた。課題を整理し、今後の学校法人の強化と運営の確たるものをしっかり押さえていきたい」と述べ、委員からの意見を聞いた。
委員からは、「国立大の卒業生がどれだけ国のために貢献しているのか?」「経営と教学は対立軸として見るのか、経営の中に教学の有り様が見定められていくのだろうと思われるが」「大学のスクラップ&ビルドはそう簡単にできない面もあるが、私学の教育改革はこの一〇年でかなり進んだ。高等学校の方はどうなのか?」「平成十六年の私立学校法の改正によって、ガバナンスの仕組みは大いに変わった」「国立大学の今日的使命とは何なのか」など、多様な意見が出された。
今後、学校法人の基本に係る諸事項について確認するとともに、他団体等との協議を行うなどして、厳しい状況を乗り切っていくことが肝要になる。