平成19年11月 第2294号(11月7日)
■地域に根ざす"明星精神" 20周年・薬学部開設記念式典
去る十月十三日、いわき明星大学(斎藤和明理事長、高重正明学長)は、創立二○周年の記念式典、並びに今年四月の薬学部開設の記念式典を挙行した。
開会に当たり、高重学長が挨拶に立ち、スクリーンに映し出された開学二○年の星霜を振り返った。
「一九八七年の創立時は理工学部(現在は科学技術学部)四学科でスタートした。その後、大学院を設置、社会の要請に応えるべく学部学科を改組し教育内容も一新した。そして、本年四月には、薬学部薬学科(六年制)を新設し、現在は三学部七学科体制となっている。この薬学部創設は、開学当初から地元に要望されていたものである。地方私立大学の前途には多くの試練があるものと思われるが、二○年の節目に教職員一同覚悟を新たにしたい」と決意を込めた。
引き続いて、斎藤理事長は「和の精神を基礎にした『真心により真心を育てる人格接触』等の明星精神を発揮し、平和に貢献する学生を育てたい」との抱負を述べた。
祝辞に移り、高柳元明日本私立大学協会副会長(同協会東北支部長、東北薬科大学理事長・学長)が「南東北のいわき市にとって、なくてはならない大学としての地位を築かれ、今春には六年制の薬学部を創設され、即戦力としての人材を育成されている。今後とも地域とともに益々発展されることを祈念します」と祝った。そのほか、櫛田一男いわき市長も祝辞を述べた。
閉会後には、薬学部開設記念講演会として、天然物有機化学者の大村 智北里研究所理事・所長(女子美術大学理事長)が「エバーメクチン:自然から人類への贈り物」と題する講演を行った。同氏は、自らが土壌から発見した放線菌により生産される抗生物質エバーメクチン及びそのジヒドロ誘導体のイベルメクチンが、今日、農薬及び動物薬として市販されていることを説明し、イベルメクチンは世界市場で第一位を占めていることなども紹介した上で、我々に有用な微生物を提供してくれる自然の環境保全が大事であると訴えて講演を結んだ。
なお、会場を移しての祝賀会も和やかに開かれた。