平成19年10月 第2293号(10月24日)
■職業能力の評価 厚生労働省が基準示す
厚生労働省では、去る九月に、アルバイト等の職業経験により培われた職業能力を評価できるようにするための「経験能力評価基準」を作成し、公表した。
十月一日から改正雇用対策法が施行され、事業主は「青少年の有する能力を正当に評価するための募集及び採用の方法の改善等を図るために必要な措置を講ずることにより、その雇用機会の確保等が図られるように努めなければならない」とされ、「青少年の募集および採用に当たり、就業等を通じて培われた能力や経験について、過去の就業形態や離職状況等にとらわれることなく、人物本位による正当な評価を行う」ことが求められる。
こうした背景により、いわゆる年長フリーター等の雇用機会の確保を図るためには、アルバイト等の職業経験により培われた職業能力を適切に位置付け、若年者、事業主双方がそれを正当に評価できるようにすることが必要である。そのためのツールとして、このたび、「経験能力評価基準」を作成した。
同評価基準は、こうした職業経験を、客観的に把握・評価できるよう、具体的な「職務行動」の形で抽出。抽出した職務行動を、更に、事業主の求めるニーズや、一般職務における成果につながる行動特性の観点を踏まえて整序したもの。職業経験の積み重ねに応じて職務行動を段階的に配列し、九つの区分に分類した。具体的には、
一、自らの働く意識を形成する段階(@働く意識と取組、A責任感)
二、他者との関係の中で職務を行うために必要な能力を形成する段階(Bビジネスマナー、Cコミュニケーション、Dチームワーク)
三、職務への取組をさらに発展したものとするために必要な能力を形成する段階(Eチャレンジ意欲、F考える力)
四、さらに専門的な職業能力を形成する段階(G自己調整力、H専門性)
である。シートの構成は、経験能力(自己診断)、経験能力(上司アドバイス)、経験能力記述、経験能力評価基準判定目安表からなる。様々な場面で活用が図られるように各利用者別のシートを作成している。アルバイト等を行う若年者、求人企業、ハローワーク等での活用等を想定している。今後は、同省ホームページ等で公開し、活用促進を図っていく。