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平成19年10月 第2293号(10月24日)

研究費管理の体制整備を 各機関に提出要請(締切 11/15)

 文部科学省では、去る十月十一日に、科学技術・学術政策局長名で、各関係研究機関宛に「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインに基づく体制整備等の実施状況報告書」の提出を呼びかけている。

 近年相次ぐ研究費の不正使用は、それを起こした職員が所属する機関にとって重大な問題であるばかりでなく、科学技術振興体制への社会的信頼を揺るがす問題となっている。文部科学省では、これに対応するため、本年二月に「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(以下、ガイドライン)」により、各機関に研究費の不正な使用に対する体制整備等を求めてきた。
 その後、ガイドラインに基づく「体制整備等の実施状況報告書」を提出することとしていたが、このたび、「研究機関における公的研究費の管理・監査に関する検討会(石井紫朗主査)」における検討等を踏まえ、その提出様式を定めた。対象研究機関は、これらの書類を十一月十五日までに提出しなければならない。
 ただし、報告書については、多様な研究機関の性格や規模を考えると、一律の基準を強制することは、かえって実務上の非効率を招くため、ガイドラインは大綱的性格のものとして位置づけ、具体的に各研究機関でどのような制度を構築するかは、個々の機関の判断に委ねられる。各機関において、組織の長と研究者・事務職員が自律的に関与して、各研究機関の現実的かつ実効性のある制度構築が求められている。
 また、同報告書は、各機関が現状と課題をどのように認識し、どのような体制を整備しようとしているかといった状況をより具体的に把握することを主眼とするもので、報告書の内容に基づいてランク付け等を行うことを目的とするものではない。
 報告書の提出が必要となる研究機関は、@平成十九年度において同省、あるいは、同省が所管する独立行政法人(科学技術振興機構や日本学術振興会など)から競争的資金などを受けて、その管理を行うこととなる機関、A平成二十年度の科学研究費補助金に応募する研究者の所属機関。これらの機関は、提出期限である十一月十五日までに、同省科学技術・学術政策局調査調整課競争的資金調整室まで報告書を送らなければならない。
 提出をしなければならない書類は、次の通り。
 @研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインに基づく体制整備等の実施状況報告書―正本(紙媒体)一部、副本二部(紙媒体)
 A研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインに基づく体制整備等の取組状況整理表―正本(紙媒体)一部、副本二部(紙媒体)
 B@、Aの電子媒体
 C研究機関の組織構成、研究者数等を記載した研究機関の概要(パンフレット・要覧等既存資料)@、Aの様式は同省のホームページ(www.mext.go.jp/a_menu/02_b.htm)からダウンロードできる。
 なお、報告書を受けて、同省では各機関の体制整備の状況の把握と分析を行い、報告書中に不適切・不十分な事項がある場合は、取組状況に特に問題があるとして取扱い、改善計画の作成を求めることがある。問題が解消されない場合は、同省又は同省が所管する独立行政法人からの競争的資金等の配分が停止されることもある。
 同省では、電子媒体の送信に当たっては、提出期限間際は接続が集中する場合があるので、時間的余裕を持って欲しいとしている。

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