平成19年10月　第2292号（10月17日）

■［新刊紹介］
　 大学教育を変える　教育業績記録　−ティーチング・ポートフォリオ作成の手引き
　 ピーター・セルディン著　(独)大学評価・学位授与機構　川口昭彦監訳
　 栗田佳代子訳

　ティーチング・ポートフォリオとは、個人の教育業績に関連する全ての文書や資料の網羅的な寄せ集めではなく、教育活動に関して十分に考えて選ばれた情報と、教育活動の有効性に関する確かな根拠資料を提示することをいう。
　第一版および第二版と同様に、同書は内省と教育業績の文書化に焦点がおかれ、第一部では、ティーチング・ポートフォリオとは何か、なぜ、どのように作成するのかを説明している。
　第二部は、ハイパーリンク、メニュー、その他のナビゲーションツール、情報や資料の階層的な構成、マルチメディアの利用可能性がいかに新しい思考、視点、洞察を刺激しうるかについて説明を、第三部は、七つの大学がどのようにポートフォリオを取り入れたかを、第四部は、ポートフォリオの更新と改善の具体的な戦略である。
　同書の特徴は、ポートフォリオの最も効果的な使用を促進するために必要な、すぐに使える実践的な情報を提供する書籍であるといえる。これは、大学教員、学科長、学部長、昇格・テニュア決定委員会のメンバーのために書かれている。また、大学院生、特に大学教員としてのキャリアを考えている大学院生にとっても必携の書といえる。