平成19年10月 第2292号(10月17日)
■野依(理研理事長)氏が講演 日本学術会議が総会
日本学術会議(金澤一郎会長)は、去る十月十日から十二日にかけて、東京・六本木の同会議講堂において、第一五一回総会(第二〇期・第六回)を開催した。
まず、金澤会長から活動状況の報告があり、政府に対する政策提言や海外の科学アカデミーとの連携、科学の役割についての世論啓発の取り組みを紹介した。続いて、同会議の「憲章」草案を幹事会が提出、説明と共に審議を行った。
その後、野依良治理化学研究所理事長から「知識基盤社会における我が国大学院のあるべき姿」と題した特別講演があった。野依理事長は、大学院の教育が世界の競争で重要になるが、旧態依然とした体制が大きな負荷となっている。学生の才能を最大限に伸ばす抜本的な改革を行う必要がある、と持論を主張。
また、研究重視で、学部と大学院の縦割り構造が知の細分化・断片化を増長させており、狭い範囲でしかモノが考えられず、社会性も身につかない学生が育っている。海外では、よい大学院ほど自校の卒業生が少ないことなどを指摘、学生の囲い込みと閉じこもりをやめ、世界に開かれた大学院作りを目指すことを投げかけた。
続いて、部会ごとの報告・議論、全体の自由討議等が行われ、三日間の総会を終了した。