平成19年10月 第2292号(10月17日)
■更なる発展への出発点に 創立110周年記念事業を挙行
学校法人和洋学園・和洋女子大学(金田幸三理事長、蓮見音彦学長)では、去る十月七日、午前一〇時三〇分から同大学西館および南館において、卒業生、後援会、母の会、学園関係者等約六〇〇人が出席して、創立一一〇周年記念講演会・祝賀会を挙行した。
西館一―四教室で開かれた、女性の生き方を考えると題した記念講演会では、蓮見学長の挨拶に続いて、「介護ボクサー・ジョー荻野」と題して、芥川賞作家慶應義塾大学教授、荻野アンナ氏から、両親、特に父親の介護について、老いとは記憶力がうすれ、精神的に自分が老いていることがわからない状態であること、介護を継続するには、介護にのめり込まず、趣味などを通して、自分の時間を確保することが大切であることなど、自らの体験を交えて語った。
荻野氏は現在、神奈川県アマチュアボクシング協会に所属、Cクラスで全国一をめざしており、壇上で華麗なシャドーボクシングを披露した。
続いて、「江戸に学ぶ女性の生き方」と題した講演では、江戸東京博物館館長の竹内 誠氏から「江戸時代の女性の生活」は一般的に、男性にしいたげられた暗い日々を過ごしたと思われがちだが、決してそうではなく、『世事見聞録』、『シュリーマン旅行記 清国・日本』、スエンソンの『江戸幕末滞在記』などから、はつらつとして生きる女性の紹介があった。
会場を移しての祝賀会では、はじめに蓮見学長が「一〇〇周年以降の一〇年間で、学園は大きな変貌を遂げた。大学では、学部を人文学部と家政学部の二学部に拡充し、さらに学科の増設をはかって七学科に体制が変わったほか、南館に続いて、東館、西館が竣工し、おおむね整備が完成したことから、この一〇年間の改革を記憶にとどめて今後の出発点としたい」と、記念行事の主旨を述べた。
続いて金田理事長が「私たち先人の偉業に敬意を表し、感謝の思いを新たにしつつ、伝統の所産である同窓会、後援会、母の会と一体となり、新しい時代の要請を先取りし、より学園の発展に努めてまいります」と挨拶した。
次に、千葉県私立大学・短期大学協会会長、明海大学学長、拒q 翔氏の祝辞、記念誌の紹介などの後、祝宴が行われ、創立記念の催しを終えた。