平成19年10月 第2292号(10月17日)
■教育振興基本計画・地球温暖化など対応策協議
文科省の担当官が審議状況等説明
日本私立大学協会(大沼淳会長)は、去る十月十二日、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷において、第四三八回常務理事会を開き、中教審の教育振興基本計画特別部会の審議動向、地球温暖化対策等について、文科省の担当官の説明を聞くとともに今後の対応策等の政策協議を行った。
会議の初めに、一昨年の同常務理事会で「日本の将来と私学への期待」を語ってもらった麻生太郎衆議院議員(総務大臣〈当時〉)が、多忙な公務の合間をぬって出席し、近況を語るとともに、私学への期待を込めての挨拶をした。
協議に入り、教育振興基本計画については、生涯学習政策局の清木孝悦生涯学習総括官、塩見みづ枝政策課教育改革推進室長、白井俊同課専門調査官から説明があった。
この教育振興基本計画については、昨年末に改正された教育基本法の第三章第十七条に規定されており、国は、総合的かつ計画的に教育施策を推進するための計画を策定することになっているもの。
清木氏は、計画策定に当たっての基本的考え方は、改正教育基本法で明示された新しい教育理念に基づき、今後一〇年先を見通した施策の基本的方向と、政府が五年間に取り組むべき具体的方策について示すことになると述べた上で、重点的に取り組むべき事項案(部会でのこれまでの議論等)として、高等教育関係では、@大学院教育の充実、A大学等の国際化、B国公私立大学等の連携体制、C質の向上・保証、D基盤の強化などがあり、そのほか、耐震化、奨学金、私学助成の充実等の教育環境の整備等であるとした。
常務理事らからは「我々の願いは経常費の二分の一補助の私学助成である。強い思いがある。具体の議論で、ぜひ私学の意見を反映させてほしい」といった意見が相次いだ。今後は、発展構想委員会等で意見を取りまとめるなどして、適宜、私学の意見反映をしていきたいとした。
次に、地球温暖化については、高等教育局私学部の杉野 剛私学行政課長、小谷利恵同課課長補佐・専門官から解説があった。
はじめに、この温暖化対策については、同協会の素案等に基づいて立案された全私学連合としての「環境自主行動計画案」を検討しているところであり、今後、具体的な目標数値等を詰めていくことなどが小出秀文事務局長から説明された。
これに対し、杉野氏は、「全私連で検討中の案は、CO2の削減に向けた取組、環境教育など、大変特色ある環境自主行動計画である」と述べるとともに、政府の地球温暖化対策推進本部の「京都議定書目標達成計画の見直しに向けた基本方針」の解説をした。なお、今後は、今年末までに既存対策に係る施策の強化、追加対策の具体化・定量化の検討をし、今年度中に新・京都議定書目標達成計画を閣議決定することになる。
そのほか、今後の私学振興に関する諸問題として、去る十月三日に開催された「産学人材育成パートナーシップ」の全体会議(別掲参照)について、教育界から出席した大沼会長より報告があった。