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平成19年10月 第2292号(10月17日)

産業界と教育界(大学) 人材育成で会議 産学人材育成パートナーシップ

 去る十月三日、文部科学省と経済産業省は、東京・港区の虎ノ門パストラルにおいて、大学界と産業界との代表者らが集い、日本の人材育成について話し合う場として、「産学人材育成パートナーシップ」の第一回全体会を開催した。
 近年のイノベーション競争の激化やIT化等に伴う仕事等の質の高度化に対して、産業界においては、これらの競争を勝ち抜くための人材育成が喫緊の課題となっており、そのために、各大学がそれぞれの特色を活かしつつ、産業界のニーズを踏まえた人材育成の取組を実施するなど、大学界と産業界の間で、より幅広い連携協力関係を構築していくことが背景にある。
 当日は、大学団体側からは、梶山千里氏(議長、国立大学協会副会長)、佐々木雄太氏(公立大学協会会長)、大沼 淳氏(日本私立大学協会会長)、白井克彦氏(日本私立大学連盟副会長)がそれぞれ委員として出席したほか、渡海紀三朗文部科学大臣と甘利 明経済産業大臣も出席した。
 意見交換では、大学側からは、@ユニバーサル化に伴い、大学は専門教育だけではなく、教養教育や人間教育などの重みが増していること、A地域経済の衰退に伴い、地域のニーズを踏まえた、商工会議所等と連携した人材育成策、B人材育成を行う大学への援助や大学院修了者の処遇改善などについて述べた。
 一方、産業界側からは、@若い世代の理工系離れが進み、人材確保が課題となっていること、A「社会人基礎力」を備えた人材の産学連携による育成、B研究面においても、ナノテクノロジーやITなどの最先端分野ばかりではなく、大学の基礎的研究にも大いに期待していることなどについて述べた。
 「産学人材育成パートナーシップ」では、今後、分野別・業界ごとの人材育成課題(@必要となる人材像、Aそのための取り組み策、B産業界と大学界の役割分担・協力、C産業界・大学界が協力して実施していくべき取組、D大学界の果たすべき役割〈社会や経済の動向を踏まえた大学教育改革、「教育」の質の保証〉、E産業界の果たすべき役割〈人的・資金的な面での大学界への協力、教育界における人材育成への取組の評価と育成の継続など〉)について、分科会を設けて整理を行った上で、本年十二月頃を目途に、産学人材育成パートナーシップとしての「中間まとめ」を取りまとめる予定。
 なお、分科会としては、化学、機械、材料、資源、情報処理、電気・電子、原子力、経営・管理人材などが設置される。

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