平成19年10月 第2290号(10月3日)
■80歳以上が700万人を突破
「敬老の日」にちなんで統計から見た我が国の高齢者の状況
総務省統計局はこのほど「敬老の日」にちなんで統計からみた我が国の高齢者の状況を発表した。それによると、八〇歳以上人口が七〇〇万人を突破し、男女別では女性が男性のほぼ二倍となった。高齢者の就業者数は初めて五〇〇万人を超えた。
一、高齢者の人口
高齢者(六五歳以上)人口(平成十九年九月十五日現在推計)は、二七四四万人で、総人口に占める割合は二一・五%。これを前年(二六五七万人、二〇・八%)と比べると、八七万人、〇・七ポイント増となり、人口、割合とも過去最高を更新し続けている。
一五〜六四歳人口に対する六五歳以上人口の比率(老年人口指数)は、三三・一と、一五〜六四歳人口と高齢者人口の割合は三対一となっている。
年齢階級別にみると、六五〜七四歳人口は一四七五万人(総人口の一一・五%)で、前年と比べ三三万人、〇・二ポイント増、七五歳以上人口は一二六九万人(同九・九%)で、前年と比べ五四万人、〇・四ポイント増。また、八〇歳以上人口が七一三万人と初めて七〇〇万人を超えた。
男女別では、男性は一一六九万人(男性人口の一八・八%)、女性は一五七五万人(女性人口の二四・一%)と女性が男性より四〇五万人多い。
女性一〇〇人に対する男性の数(人口性比)は、〇〜一四歳では一〇五・一、一五〜六四歳では一〇一・二と男性が多いのに対し、六五歳以上では、七四・三、七五歳以上は六〇・〇と女性が多くなり、八〇歳以上では、四九・三と女性が男性のほぼ二倍となっている。
二、高齢者の就業
就業している人は、平成十八年に五一〇万人と初めて五〇〇万人を上回った。産業別にみると、農林業が一一五万人(高齢就業者の二二・五%)と最も多く、卸売・小売業が八七万人(同一七・一%)、サービス業が八六万人(同一六・九%)、製造業が六六万人(同一二・九%)となっている。
非農林業雇用者について、企業の従業者規模別(官公を除く)では、一〜二九人規模の企業が一四〇万人(非農林業雇用者の六〇・九%)、三〇〜四九九人規模が七一万人(同三〇・九%)、五〇〇人以上規模が一九万人(同八・三%)と一〜二九人規模で六割を占めている。
三、高齢者の家計
二人以上の世帯と単身世帯を合わせた総世帯のうち、高齢者世帯の平成十八年の一世帯当たり一か月平均の消費支出は二一万四五二一円と、総世帯全体(二五万八〇八六円)より約四万四〇〇〇円少ない。
総世帯のうち高齢無職世帯における平成十八年の一世帯当たり一か月平均の消費支出は二〇万一二三八円、可処分所得は一六万五九七一円と、それぞれ前年より三〇三二円、三三三六円の減少で、消費支出に対する可処分所得の不足分は若干増加し三万五二六八円で、この不足分は貯蓄の取り崩しなどで賄っている。
四、高齢者の生活
過去一年間(平成十七年十月二十日〜十八年十月十九日)にインターネットを利用した人は、三七三万人で、高齢者人口に占める割合は一五・一%と約六人に一人が利用している。
インターネットの種類別に行動者率をみると、電子メールが一一・〇%と最も高く、次いで情報検索及びニュース等の情報入手が七・一%、商品やサービスの予約・購入、支払いなどの利用が三・八%だった。
過去一年間に何らかの趣味・娯楽を行った高齢者は一七〇一万人で、うち、男性は七一・八%、女性は六六・四%。趣味・娯楽の種類別では男女とも園芸・庭いじり・ガーデニングが最も多く、次いで趣味としての読書で、以下、男性は日曜大工、女性は編み物・手芸だった。
過去一年間に国内観光旅行をした高齢者は一〇六八万人。また、海外観光旅行をした高齢者は一五三万人だった。