平成19年10月 第2290号(10月3日)
■"地域振興"の諸施策協議
"共同学部・共同大学院”の創設
日本私立大学協会(大沼淳会長)は、去る九月二十八日、同協会会員室で今年度第一回私立大学発展構想委員会(担当理事=黒田壽二金沢工業大学学園長、総長)を開き、文科省の井上卓己大学改革推進室長による「戦略的大学連携支援事業」(平成二十年度予算要求額五〇億円)の内容及び、将来的な新制度へ向けての構想案の説明を受けた。
それによると、「戦略的大学連携支援事業」は、@大学連携による共通・専門教育の先進的プログラム開発、A教育・研究設備の共同利用、B地域の教育研究資源の結集、C事務局機能の共有化などであり、今後五年間で二〇〇件程度の取組みを三年間継続して支援するというもの。
また、地域活性化の一環として、「国公私を通じ複数大学が学部・研究科等を共同で設置し、連名での学位授与を可能とする」新制度の創設なども、導入の方向で検討に入っている。
このことは、『骨太の方針二〇〇七』や『教育再生会議(第二次報告)』にも「国公私を通じた地方の「大学地域コンソーシアム」の形成を支援するための措置を平成二十年度から講じる」。また、「複数の大学が大学院研究科等を共同で設置できる仕組みを平成二十年度中に創設することを目指す」などとされている。
委員からは「地域大学のそれぞれの強みを結集し、学際領域・地域振興など多様な教育研究が可能になる」など、歓迎の意見が出されたが、「大都市部ではなく、あくまでも地域振興のため地方の小さな大学等に光を当てるようなスタンスで」といった要望も出された。
この新制度については、今後、さらに検討されることになる。
そのほか、中教審の学士課程教育の再構築、平成二十年度の文科省概算要求全体についてなど研究・協議が行われた。