平成19年9月 第2289号(9月26日)
■20年度予算 大学教育推進プログラムに173億円
国公私立大学を通じた支援の詳細
八月末に財務省に提出した平成二十年度文部科学省予算概算要求項目の「新たな状況変化に対応した大学改革の推進」のうち、「国公私立大学を通じた大学教育改革の支援の充実」、「世界最高水準の卓越した教育研究拠点形成と大学院教育の抜本的強化」、「地域振興の核となる大学の構築」のそれぞれについての事業内容と予算は次のとおりである。
一、国公私立大学を通じた大学教育改革の支援の充実 三七一億八六〇〇万円(対前年度予算二一四億円増)
人材養成目的の明確化を踏まえた高等教育の質の向上を図るべく、従来の特色GPと現代GPを発展的に統合し、学士課程教育の質の向上に向けた様々な優れた取組を支援する。
(1)「質の高い大学教育推進プログラム(仮称)」として新規に支援:一七三億一〇〇〇万円
(2)社会的ニーズに対応する人材養成と大学の多様な機能の展開として、@「社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム」(二十年度の新規公募あり):五四億円(同一七億六〇〇〇万円増)、A「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」(二十年度の新規公募あり):三〇億九〇〇〇万円(同一五億円増)
(3)世界に開かれた大学づくりの推進として、「大学教育の国際化加速プログラム」:六五億六一〇〇万円(同五四億一五〇〇万円増)
(4)社会の要請に応える高度専門職業人養成の充実として、「専門職大学院等における高度専門職業人養成教育推進プログラム」(二十年度の新規公募あり):二二億八三〇〇万円(同九億七一〇〇万円増)
(5)産学連携による高度人材育成と教育プログラムの充実・強化として、@実践型人材の育成を目指し、大学等において産学連携による新たな教育プログラムを開発・実施する「産学連携による実践型人材育成事業」(二十年度の新規公募あり):九億九〇〇万円(同三億七五〇〇万円増)、A世界最高水準のIT人材として求められる専門的スキルを有し、企業等において先導的役割を担う人材の育成拠点形成を支援する「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」:九億四八〇〇万円(同一億五〇〇〇万円増)
二、世界最高水準の卓越した教育研究拠点形成と大学院教育の抜本的強化 六〇一億九〇〇〇万円(同一七六億八五〇〇万円増)
国際競争力のある世界最高水準の大学づくりを推進するため、世界的な卓越した教育研究拠点の形成を支援するとともに、大学院における優れた組織的な教育の取組を支援する。
(1)「グローバルCOEプログラム」:四六九億五八〇〇万円(同三一二億円増)、六〇件程度採択予定。
(2)「大学院教育改革支援プログラム」:八五億九七〇〇万円(同五〇億九六〇〇万円増)、全分野(人社系、理工農系、医療系)で一五〇件程度採択予定。
(3)「二十一世紀COEプログラム」:四六億三四〇〇万円(同一七三億八二〇〇万円減)、十六年度採択拠点の継続支援等。
三、地域振興の核となる大学の構築(新規)五〇億円
地域の教育研究資源の結集による知の拠点としての機能を強化するため、各大学の教育研究資源を活用した、大学間の連携強化による個性・特色ある取組を支援し、地方の大学教育の一層の充実を図るもので、国公私の複数の大学による多様で特色ある大学間の戦略的な連携の取組を支援する。「戦略的大学連携支援事業」(新規):五〇億円。なお具体的な事業内容は、@戦略的な連携により事業目的を達成するため、将来目標を含む具体的な「大学間連携戦略」を策定、AITを活用した教育研究設備のネットワーク構築、B大学連携による共通・専門教育の先進的なプログラム開発、C地域の教育研究資源の結集による知の拠点としての機能を強化、D大学間の連携による効率的かつ効果的な大学運営など。