平成19年8月 第2285号(8月22日)
■遠藤文科副大臣ほか文科省幹部に要望
平成20年度私学関係予算・税制改正で
全私学連合(安西祐一郎代表)は、去る八月八日、平成二十年度私立学校関係政府予算要望と税制改正要望の実現に向け、文部科学省を訪問し遠藤利明文部科学副大臣のほか就任間もない銭谷眞実文部科学事務次官、玉井日出夫文部科学審議官、坂田東一大臣官房長、清水 潔高等教育局長、磯田文雄私学部長等に要望内容を説明し、理解を求めた。
全私連からは、安西代表のほか、大沼 淳私大団体連副会長、川並弘昭短大協会会長、田村哲夫中高連会長、吉田 晋中高連副会長、平野吉三日私小連会長、清水博雅全日私幼連副会長、さらに私学事業団の鳥居泰彦理事長も加わって、それぞれに要望内容のポイントを説明した。
大学関係では、「地域振興にとって多様な教育を展開する私学は、人材育成において重要な役割を果たしている」ことを強調するとともに、「基盤的経費の国費負担の国立との格差是正」、“私立学校”に関する規定を新設した教育基本法改正後初の概算要求として、同改正法の理念を実現する「私立大学等経常費補助金等の基盤的経費への大幅な支援の拡充」などを訴えた。
高校等関係では、「高校で約五・七倍にも及ぶ保護者の教育費負担の公私間格差の是正」が喫緊の課題であり、私学教育の振興に対する国の意志として「私立高等学校等経常費助成費等補助金の一層の充実」に理解を求めた。
また、幼稚園関係では、「幼保公私間格差の是正」等を訴えた。
さらに、私学事業団からは「私立学校施設高度化推進事業費補助(利子助成)の継続拡充」のほか「私学事業団の財政基盤の強化を図るための政府出資金の拡充」などについて説明した。
税制改正要望についても寄附文化の醸成とともに私学活性化促進の環境整備等を要望した。
これらの要望に対し、文科省幹部は「骨太の方針による“対前年度比▲一%”は厳しいが、幼稚園から大学まで基盤的経費を疎かにはできない」、「重点施策推進要望枠が今年度の二倍の六〇〇〇億円になった。@成長力の強化、A地域活性化、B環境立国戦略、C教育再生、D生活の安全・安心の五分野あり、これらに対応させた要望を取りまとめていきたい」、「特に地域活性化や教育再生の分野は、私学の要望とも関連するのでがんばりたい」などと述べ一様に要望への理解を示すとともに、厳しい財政状況ではあるが私学の有為な人材育成に対し熱い想いを語った。