平成19年8月 第2284号(8月8日)
■私立学校関係政府予算要望・税制改正要望など決める
全私学連合代表者会議開く
文教関係・国会議員と私学振興協議会開く
全私学連合(安西祐一郎代表)は、7日、東京・赤坂のホテルにおいて第259回代表者会議を開き、平成20年度私立学校関係政府予算要望と税制改正要望を最終的に取りまとめるとともに、要望実現に向けた対策活動を協議した。また、引き続き同ホテルにおいて、臨時国会の招集日で多忙の中、河村健夫文教制度調査会長、吉村剛太郎文部科学部会長らの文教関係国会議員を招いて私学振興協議会を開催し、代表者会議で決めた平成20年度私立学校関係政府予算と税制改正の要望を説明するとともに理解を求めた。
代表者会議では、大学関係から幼稚園関係まで、それぞれの団体からの予算要望案が説明され、了承された。また、日本私立学校振興・共済事業団と(財)私学研修福祉会の要望も説明された。大学関係の主な要望は次の通り。
一、適正な競争環境の実現に向けた私学助成の大幅拡充
(1)国立大学との格差の早期是正にかかる重点的支援、(2)地域に根ざした私立大学の教育研究活動に対する支援/@地域振興と活性化等の取組に対する重点的支援、A地域活性化に寄与する私立大学間の連携等の取組に対する支援、B地域社会における知の拠点としての教育プログラム開発等に対する支援、C緊急災害時における避難場所としての私立大学の施設整備等に対する支援、(3)教育研究施設の耐震等緊急を要する整備事業に対する支援、(4)教育研究の高度化推進事業に対する支援、(5)私立大学が国の最先端分野へ参入するための条件整備に対する支援/卓越した研究拠点整備に向けた研究コンソーシアムに対する支援など。
二、国公私立を通じた大学教育改革の支援の充実
各種プログラムの拡充、大学教育コンソーシアム形成に対する支援の充実など。
三、教育費負担軽減のための奨学金事業の改善充実
(1)日本学生支援機構にかかる施策の改善充実/@無利子による貸与奨学金制度の改善充実、A顕著な成果をあげている学生への給付奨学金制度の創設・拡充、B家計の急変に伴う学生への給付奨学金制度の創設。(2)大学院学生に対する経済的支援の改善充実/@大学院の学生に対する給付奨学金の創設、A特に優れた業績による大学院学生に対する返還免除制度の拡充、B専門職大学院の学生に対する奨学金の拡充。
四、国際教育・交流の積極的な推進
(1)私費外国人留学生に対する支援の拡充/授業料減免学校法人援助の拡充と支給率の大幅な改善など。(2)総合的な留学生支援の拡充/留学生の福利厚生支援の充実など。(3)国際教育の高度化推進支援の拡充。
五、科学技術創造立国推進に向けた支援の拡充
(1)教育研究の高度化推進事業に対する支援/@スパコン利用など教育研究における高度情報基盤の整備等に対する支援、A競争的資金の間接経費及び私立大学への優遇措置など研究基盤強化に向けた支援など。(2)国の知的財産戦略の推進に向けた支援。(3)国公私立大学で取り組める新たな学術支援スキームの構築。
六、認証評価機関の基盤整備等にかかる支援
七、環境問題への取組等に対する支援の拡充
税制改正要望については前年度に続いての更なる改善を図り、少子高齢化への対応に伴う教育費負担者の経済的負担軽減を図ることや寄附文化を醸成する観点から、@個人からの寄附金にかかる所得控除限度額の上限を四〇%から五〇%へ、現行の控除適用下限額五千円の撤廃、A教育費にかかる経済的負担軽減のための措置の創設、B現行特例措置の維持・拡充、C消費税に対する優遇措置等。
会場を移して開かれた私学振興協議会では、全私学連合から各団体代表が、文教関係国会議員にそれぞれ代表者会議で決定した要望内容を説明した。大学関係については、大沼 淳団体連合会副会長が説明した。