平成19年8月 第2283号(8月1日)
■男性79.00歳 女性85.81歳 「平成18年簡易生命表」
厚生労働省は七月二十六日、平成十八年簡易生命表を発表した。同生命表は、平成十八年の我が国の死亡状況が今後変化しないと仮定したとき、各年齢の人が一年以内に死亡する確率や平均して何年生きられるかという期待値などを死亡率や平均余命などの指標(生命関数)によって表わしたもの。
1、主な年齢の平均余命
男性の平均寿命は七九・〇〇年、女性の平均寿命は八五・八一年で前年と比較して、男性は〇・四四年、女性は〇・二九年上回った。また、各年齢の平均余命についても、前年に比べ男女とも全年齢で上回った。また、男女の平均寿命の差は、六・八一年で前年より〇・一五年縮少した。
平均寿命の延びを死因別に分析すると、悪性新生物、心疾患及び脳血管疾患などの減少が平均寿命を延ばす方向に働いている。
2、寿命中位数等生命表上の生存状況
男女それぞれ一〇万人の出生に対して、六五歳の生存数は男性八万六一三五人、女性九万三二六〇人。これは六五歳まで生存する人の割合が男性は八六・一%、女性は九三・三%であることを示している。同様に七五歳まで生存する人の割合は、男性七〇・三%、女性八五・五%、九〇歳まで生存する人の割合が男性二〇・六%、女性四三・九%だった。
〇歳以上の定常人口(生命表上の全生存年数)は、男性七九〇万人、女性八五八万人、六五歳以上の定常人口(生命表上の六五歳以上生存年数)は、男性一五九万人(二〇・一%)、女性二一九万人(二五・五%)だった。
その年に生まれた人のうちの半数が生存すると期待される年数を寿命中位数といい、平成十八年では男性八一・九四年、女性八八・六一年だった。平均寿命に比べ男性は二・九四年、女性は二・八〇年上回った。
3、死因分析
ある年齢の人が将来どの死因で死亡するかを計算し、確率の形で表わしたものが死因別死亡確率で、〇歳では男女とも悪性新生物で将来死亡する確率が最も高い。次いで男性は心疾患、肺炎、脳血管疾患、女性は心疾患、脳血管疾患、肺炎の順。六五歳では、〇歳に比べ悪性新生物の死亡確率が低く、他の死亡確率が高く、七五歳、九〇歳では更にこの傾向が強い。
三大死因(悪性新生物、心疾患、脳血管疾患)の死亡確率は男女とも〇歳、六五歳、七五歳の各年齢で五割を超えた。前年と比較すると、男女ともに脳血管疾患の死亡確率は低くなっているが、悪性新生物の死亡確率は高くなっている。
ある死因が克服された場合、その死亡年齢以後に他の死因で死亡することになる。その結果、死亡時期が繰り越され、平均余命が延びることになる。この延びは、その死因のために失われた平均余命とみることができ、これにより各死因がどの程度平均余命に影響しているかを測ることができる。
三大死因を除去した場合の延びは、〇歳では男性八・三一年、女性七・二〇年、六五歳では男性六・六七年、女性五・九一年、七五歳では男性五・一一年、女性五・〇〇年、九〇歳では男性二・三一年、女性二・七四年だった。