平成19年7月 第2281号(7月18日)
■高校在学中に検定試験実施 大学入試改善に論点
中教審 教育課程部会
文部科学省は、去る七月十三日に開かれた中央教育審議会の教育課程部会(部会長=梶田叡一兵庫教育大学長)において、高校での学習状況を評価するため、在学中の検定試験実施についての検討に入った。
導入検討の経緯としては、大学入試の改善がさけばれ、また定員割れしている大学ほど選抜方法が多様化する傾向にあり、大学入試の合否判定資料として活用する仕組みが考えられる、という理由もあげられる。
同部会では、教育課程の基準の見直しとあわせて検討すべき事項に関する論点案としてあげられた中で、大学入試の改善を図る必要があるとする次のような論点について審議した。
「高等学校教育との接続の観点からの大学入試の改善」
(一)大学入試の学力検査において、思考力、表現力等を含めた総合的な学力を問うなど、高等学校以下において教育の目標としている学力に関する考え方との整合性を一層重視する必要があると考えられる。
高等学校における幅広く調和の取れた教育を進めるため、大学入学者選抜において生徒の高等学校での教育活動の成果を適切に評価するための工夫改善をどのように進めるべきと考えるのか。
(二)高等学校の段階の学習到達度の評価は、本来高等学校が行うべきであるが、結果として大学入学者選抜に依存している状況がある。
高等学校自身、あるいは第三者機関が、高等学校での学習成果を適切に評価し、それを大学が選抜資料として広く活用するための仕組みを構築することも、課題として考えられるが、どのような仕組みや工夫が考えられるか。
大学入試の改善については、高等学校教育の内容が大学入試から大きな影響を受けるということを考慮する必要がある。
そのほか、同部会での審議では、教員の指導力の向上のための方策・指導方法の改善、学習指導要領の理念を実現するための条件整備の在り方、学習活動の充実に向けて主たる教材である教科書の質・量両面での充実、といった点に関しての指摘もなされている。