平成19年7月 第2281号(7月18日)
■競争的資金等による雇用最多 ポストドクター雇用調査
文部科学省科学技術政策研究所は、文部科学省科学技術・学術政策局基盤政策課と連携して、大学・公的研究機関等で研究活動に従事しているポストドクター等の性別、年齢階層別、財源別、研究分野別の実数を平成十七年度に引き続き調査、このたび「大学・公的研究機関等におけるポストドクター等の雇用状況調査―平成十八年度調査―」として結果をとりまとめ発表した。
同調査は、大学・公的研究機関等で研究しているポストドクター等の全体数、博士課程在籍者のうち雇用型等の経済的な支援を受けている者の実数を把握し、今後の研究者支援施策の参考とすることを目的としている。そのため平成十七年度内に大学・公的研究機関等において研究活動に従事する研究者等のうち、競争的資金等の外部資金、運営費交付金や自己財源により一定期間採用され、当該研究機関において研究活動に従事する者ののべ人数を調べたもの。
平成十九年二月十六日を回答期限として、平成十八年十一月下旬に調査票を発送し、一二三二の大学および研究機関のうち九二一機関から回答を得た。
主な結果については次のとおり。
▽ポストドクター等ののべ人数:一万五四九六人。▽経済的支援を受ける博士課程在籍者ののべ人数:三万六一五四人。▽財源別の雇用・支援状況:ポストドクター等では、競争的資金等の外部資金(四七%)による雇用が最も多い。次いで、運営費交付金等の内部資金による雇用が全体の三○%を占めている。経済的支援を受ける博士課程在籍者では、運営費交付金等の内部資金(五九%)による支援が最も多い。▽分野別の雇用・支援状況:ポストドクター等では理学(三一%)および工学分野(三○%)の占める割合が高い。経済的支援を受ける博士課程在籍者では、工学分野(二八%)の占める割合が最も高く、次いで保健分野(一九%)となっている。▽男女比率:ポストドクター等に占める女性の割合は二一%であるが、四○歳以上では二七%と高まる。経済的支援を受ける博士課程在籍者に占める女性の割合は二六%、年齢が高くなるにつれて上昇する傾向にあり、四○歳以上では四七%まで高まる。▽外国人比率:ポストドクター等の外国人比率は二四%となっている。経済的支援を受ける博士課程在籍者の外国人比率は二二%となっている。▽博士課程在籍者に対する経済的支援の状況:一ヶ月あたり一財源からの支給額が一○万円未満のケースは、全体の七四%。財源別に支給額をみると、運営費交付金・その他の財源による支給は、一ヶ月あたり一○万円未満のケースが八九%と多く、他の財源よりも支給額が低い。