平成19年7月 第2279号(7月4日)
■"温暖化"合同会議ヒアリング 私学の自主行動計画
白井私大団連副会長が意見発表
経済産業省の産業構造審議会環境部会地球環境小委員会と環境省の中央環境審議会地球環境部会は、去る六月二十七日、東京・港区の三田共用会議所において合同会議を開き、京都議定書(一九九七年十二月に採択されたCO2など六種類の温室効果ガスについての排出削減義務などを定めたもの。日本は一九九〇年比六%の削減を行う)目標達成計画の評価・見直しに関わる@関係業界等からのヒアリング(電力、鉄鋼、経団連、学校、病院)を行うとともに、A各省庁から自主行動計画の進捗状況等についてのヒアリングも行った。
自主行動計画の策定には、当初六〇業界団体が参加していたが、このほど新たに学校(全私学連合)、病院(日本医師会)など一〇業界団体が参加を決めた。
学校団体としてヒアリングに臨んだ全私学連合の白井克彦私立大学団体連合会副会長(早稲田大学総長)は、初めに次の意見発表を行った。
「私立学校は、個別に見れば、例えば早稲田大学や法政大学などのように積極的に取り組んでいる大学もあるものの、幼稚園から大学まで一万校以上もあって、学校団体としての行動計画は作成していなかったが、文科省からの働きかけもあり、まさに緒についたところである。具体的には八月上旬に自主行動計画の策定方針を定め、来年三月までに行動計画を策定したい。ただし、私学の中には幼稚園など設備等の更新が進んでいないところも多い」
これに対し、委員からは「行動計画の策定は、秋口までにやらないと間に合わないのではないか」、「大学では環境教育や環境保全技術の研究開発などもしており、国からの財政的サポートをお願いしたい」、「非営利セクターでCO2排出量が大きいのは学校と病院である。両業界ともだらしがない」などといった意見が出され、白井氏は総括として「全私学連合でもCO2対策を全体で議論していきたい。一方、影響の大きい私立大学については、既にかなりの取組みをしている。しかし、これまでは取組みを見せていなかったので、社会的には何もやっていないということにもなりかねない。今後は、取組みを学外に見せていきたい」などと締めくくった。
なお、文科省の磯田文雄私学部長の意見発表に対しても「学校団体、文科省はやる気があるのか!」などといった厳しい意見が投げかけられた。
全私学連合は今後議論を深め、自主的なCO2削減計画の策定を目指すことになる。もとより、CO2の削減は学校にとってのエネルギー消費減を意味し、コスト削減になる。
また、大学等における環境教育は、間接的なCO2削減への支援活動として期待されてもいる。