平成19年6月 第2278号(6月27日)
■私大の採択は10件 グローバルCOEプログラム
文部科学省は、二十一世紀COEプログラムの後継にあたる、「グローバルCOEプログラム」について、平成十九年度採択拠点を決定した。一一一校から二八一件の申請を受け付け、審査の結果、六三件(二八校)(採択率二二・四%)を採択した。
同プログラムは、世界最高水準の研究基盤の下で世界をリードする創造的な人材育成を図るため、国際的に卓越した教育研究拠点の形成を重点的に支援し、国際競争力のある大学づくりを目的とするもの。
「二十一世紀COEプログラム」の基本的な考え方を継承しつつ、次の四つの点を充実・強化している。
@一拠点あたりの支援の重点化(拠点数を約半分(二七四拠点↓一五〇拠点程度)とし、支援経費を倍増(平均一三〇百万円))
A若手研究者に対する経済的支援の充実、
B国際競争力を評価するための審査・評価体制の強化(外国人レフェリーによる審査の実施)
C国内外の大学・研究機関と連携した取り組みを対象に追加
国公私立大学別の採択件数は、国立五〇件(申請二〇〇件:採択率二五・〇%)、公立三件(申請二二件:採択率一三・六%)、私立一〇件(申請五九件:一六・九%)。
採択拠点は次の通り。
【生命科学】
▽脳神経科学を社会へ還流する教育研究拠点、大隅典子(東北大)
▽生体調節シグナルの統合的研究、小島 至(群馬大)
▽生体シグナルを基盤とする統合生命学、宮下保司(東京大)
▽生命時空間ネットワーク進化型教育研究拠点、濡木 理(東京工業大)
▽システム生命科学の展開:生命機能の設計、近藤孝男(名古屋大)
▽生物の多様性と進化研究のための拠点形成、阿形清和(京都大)
▽高次生命機能システムのダイナミクス、柳田敏雄(大阪大)
▽統合的膜生物学の国際教育研究拠点、片岡 徹(神戸大)
▽フロンティア生命科学グローバルプログラム、島本 功(奈良先端科学技術大学院大)
▽個体恒常性を担う細胞運命の決定とその破綻、藤木幸夫(九州大)
▽細胞系譜制御研究の国際的人材育成ユニット、田賀哲也(熊本大)
▽ピコバイオロジー:原子レベルの生命科学、吉川信也(兵庫県立大)
▽In vivoヒト代謝システム生物学拠点、末松 誠(慶應義塾大)
【化学、材料科学】
▽触媒が先導する物質科学イノベーション、宮浦憲夫(北海道大)
▽分子系高次構造体化学国際教育研究拠点、山口雅彦(東北大)
▽材料インテグレーション国際教育研究拠点、後藤 孝(東北大)
▽理工連携による化学イノベーション、中村栄一(東京大)
▽材料イノベーションのための教育研究拠点、竹添秀男(東京工業大)
▽新たな分子化学創発を目指す教育研究拠点、鈴木 啓介(東京工業大)
▽国際ファイバー工学教育研究拠点、平井利博(信州大)
▽分子性機能物質科学の国際教育研究拠点形成、渡辺芳人(名古屋大)
▽物質科学の新基盤構築と次世代育成国際拠点、澤本光男(京都大)
▽生命環境化学グローバル教育研究拠点、福住俊一(大阪大)
▽構造・機能先進材料デザイン教育研究拠点、掛下知行(大阪大)
▽未来分子システム科学、君塚信夫(九州大)
▽「実践的化学知」教育研究拠点、黒田一幸(早稲田大)
【情報、電気、電子】
▽知の創出を支える次世代IT基盤拠点、有村博紀(北海道大)
▽情報エレクトロニクスシステム教育研究拠点、安達文幸(東北大)
▽サイバニクス:人・機械情報系の融合複合、山海嘉之(筑波大)
▽セキュアライフ・エレクトロニクス、保立和夫(東京大)
▽計算世界観の深化と展開、渡辺 治(東京工業大)
▽フォトニクス集積コアエレクトロニクス、小山二三夫(東京工業大)
▽インテリジェントセンシングのフロンティア、石田 誠(豊橋技術科学大)
▽知識循環社会のための情報学教育研究拠点、田中克己(京都大)
▽光・電子理工学の教育研究拠点形成、野田 進(京都大)
▽アンビエント情報社会基盤創成拠点、西尾章治郎(大阪大)
▽次世代電子デバイス教育研究開発拠点、谷口研二(大阪大)
▽アクセス空間支援基盤技術の高度国際連携、大西公平(慶應義塾大)
▽アンビエントSoC教育研究の国際拠点、後藤 敏(早稲田大)
【人文科学】
▽心の社会性に関する教育研究拠点、山岸俊男(北海道大)
▽死生学の展開と組織化、島薗 進(東京大)
▽共生のための国際哲学教育研究センター、小林康夫(東京大)
▽コーパスに基づく言語学教育研究拠点、峰岸真琴(東京外国語大)
▽格差センシティブな人間発達科学の創成、耳塚寛明(お茶の水女子大)
▽テクスト布置の解釈学的研究と教育、佐藤彰一(名古屋大)
▽心が活きる教育のための国際的拠点、子安増生(京都大)
▽コンフリクトの人文学国際研究教育拠点、小泉潤二(大阪大)
▽論理と感性の先端的教育研究拠点形成、渡辺 茂(慶應義塾大)
▽演劇・映像の国際的教育研究拠点、竹本幹夫(早稲田大)
▽日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点、川嶋將生(立命館大)
▽東アジア文化交渉学の教育研究拠点形成、陶 徳民(関西大)
【学際、複合、新領域】
▽新世紀世界の成長焦点に築くナノ医工学拠点、山口隆美(東北大)
▽世界を先導する原子力教育研究イニシアチブ、岡 芳明(東京大学)
▽アジア視点の国際生態リスクマネジメント、松田裕之(横浜国立大)
▽生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点、杉原 薫(京都大)
▽医・工・情報学融合による予測医学基盤創成、野村泰伸(大阪大)
▽乾燥地科学拠点の世界展開、恒川篤史(鳥取大)
▽化学物質の環境科学教育研究拠点、田辺信介(愛媛大)
▽放射線健康リスク制御国際戦略拠点、山下俊一(長崎大)
▽健康長寿科学教育研究の戦略的新展開、木苗直秀(静岡県立大)
▽文化創造と社会的包摂に向けた都市の再構築、佐々木雅幸(大阪市立大)
▽アジア地域統合のための世界的人材育成拠点、天児 慧(早稲田大)
▽「生存学」創成拠点、立岩真也(立命館大)