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平成19年6月 第2276号(6月13日)

大学・大学院改革に5つの提言

基盤的経費措置の考え示す

 政府の教育再生会議(野依良治座長)は、去る六月一日、第二次報告『公教育再生に向けた更なる一歩と「教育新時代」のための基盤の再構築』を安倍首相に提出した。同報告では政府諸会議の意見も踏まえた上で、第一次報告の“ゆとり教育の見直し”として土曜授業の活用、“規範意識の育成”として新教科「徳育」の創設などを提言している。そのほか、全国立大学での九月入学枠の設定、国立大学法人運営費交付金の見直しなどと合わせ、教育再生に向けた「四つの対応」等も提言している。
 大学改革については「III. 地域、世界に貢献する大学・大学院の再生―徹底した大学・大学院改革―」で「今すぐ取り組むべき五つの改革」として、@大学教育の質の保証(卒業認定の厳格化、外部評価の推進、大学入試の抜本的改革の検討、意欲のある学生への奨学金拡充、教員の教育力の向上など)、A国際化・多様化を通じ、世界から優秀な学生が集まる大学にする(九月入学の大幅促進、教員の国際公募、英語による授業、国家戦略としての留学生政策、企業や社会との連携など)、B世界トップレベルの教育水準を目指す大学院教育の改革(体系的・組織的な大学院教育の徹底、国内外に開かれた入学者選抜など)、C国公私立大学の連携により、地方の大学教育を充実する(国公私を通じた大学院の共同設置など)、D時代や社会の要請に応える国立大学の更なる改革(再編統合の推進、人事給与システムの抜本的改革など)が提言として取りまとめられた。
 また、「VI. 『教育新時代』にふさわしい財政基盤の在り方」では、三つの具体策として、@競争的資金の拡充と効率的な配分、A大学による自助努力を可能とするシステム改革、B国立大学法人運営費交付金の改革、が示されている。さらに、公財政支出の在り方に係わる記述では、できる限り効率化を図りつつ、適正な評価に基づいて実効性のある分野への「選択と集中」により必要な予算を確保するとの考え方が示されたが、高等教育への投資全体については明確ではない。国立大学法人運営費交付金や私学助成といった基盤的経費は確実に措置するとの考え方が示された。
 同会議では、今後、十二月の第三次報告に向けての検討を行っていく。

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