平成19年5月 第2274号(5月23日)
■春季総会開く 私立高専協会
日本私立高等専門学校協会(会長=神野 稔近畿大学工業高等専門学校長)は、五月十六日、京都市・京都ガーデンパレスにおいて第八七回春季総会を開催した。
開会に当たり、神野会長は、国公私共通の課題や全国高等専門学校体育協会等の運営については、国立高専と対等の関係を築いていきたいと挨拶を行った。
協議事項に移り、小出秀文事務局長から平成十九年度事業計画案及び予算案が提案され、協議の末、原案どおり承認され決定した。
続いて、人事案件では、同協会の監事をサレジオ高専の小澤 潔事務長に決定、全国高等専門学校体育協会の幹事は事務局での対応とされ、国立大学教育研究評価委員会専門委員候補者については対応できる高専から推薦することとなった。
その後、「高専を取り巻く諸問題と高専教育を巡る諸課題」について文部科学省の永山裕二専門教育課長より解説が行われた。
同氏は、今国会に上程されている学校教育法に盛り込まれている内容及び中央教育審議会大学分科会における高専についての検討状況について説明した。
学校教育法改正は、@社会貢献機能や大学の目的規定を踏まえた高専の目的の規定、A社会人学び直しに対して予算が付けられ財政的な裏づけとともに高等教育機関における履修に対して制度的裏づけ、B公立大学法人が高専を設置することができるようにすることの三つが主な改正の内容。
また、中教審で審議が開始された高等専門学校特別委員会については、去る五月十一日開催の第四回会合で中小企業でのインターンシップで教育的効果を高めてはどうか、技術者養成を新たな学位として位置付ける方法を検討すべきではないかといった意見も出され論議が深められているとの報告があった。私立高専の立場での意見をお願いしたい旨の要請もあった。
意見交換に移り、教育振興計画の中で私立高専はどう関われるのか、学校の統合のマップについてどのような事例が想定されるのか、全国高専体育大会における編入学参加規制問題など今後の政策について活発な議論が展開された。
また、平成十九年度政府予算・税制改正要望についても協議され、黒田壽二金沢工業大学学園長・総長から、国立高専機構の予算縮小の中で私学も連動して縮小されることのないよう私学の意向反映に努めてほしい旨要望があった。
次回総会(秋季)は、東京で開催することとなった。