平成19年4月 第2270号(4月18日)
■学士課程の在り方に関する小委初会合
入学者選抜など高大接続は別途議論
中央教育審議会の大学分科会制度・教育部会の下に置かれた学士課程教育の在り方に関する小委員会の第一回会合が、去る四月六日、東京・神田の如水会館で開催された。
審議に先立って、委員の互選によって黒田壽二金沢工業大学学園長・総長が主査に選任された。
当日は第一回目ということもあり、第四期制度・教育部会からの「学士課程教育の再生のために(試案)」や第三期の制度部会及び大学教育部会の審議状況をもとに、委員全員から意見が述べられた。
その上で、同小委員会の検討作業について、(1)学士課程の到達目標、(2)各大学の取組のチェックポイント、(3)国による支援の在り方の三課題が示された。
(1)学士課程の到達目標では、学士課程一般を通じた学習成果、身につけさせるべき能力(アウトカム)の構成要素は何か、それらを総合した呼称をどうするか。また、社会をリードする創造的人材に求められる「教養」をどう考えるか。
(2)各大学の取組のチェックポイントでは、各大学の自己点検・評価の際の参考資料として「チェックポイント」を提示し、学士課程の質の向上に寄与する。例えば、@教育課程(学士課程教育)の体系性の有無等を判断する尺度は何か、A望ましいシラバスが備えておくべき要素は何か、B初年次教育に求められる要素は何か、Cキャリア教育やインターンシップに求められる要素は何か、DGPAの在り方として最低限共通化しておくべき要素は何かなど。
(3)国による支援の在り方では、@学士課程教育を対象とするGP事業で、特に重点的に支援すべき大学に求められる要件は何か、Aきめ細かな指導と厳格な成績評価、卒業認定の普及促進に向け、どのような支援を行うべきか、B分野別の教育の質向上のシステムづくりに向けて、どのような施策を講ずるべきか、C学生の学習活動の実態把握や学習成果(アウトカム)の測定について、どのような施策を講ずるべきかなど。
なお、高大接続に関わる入学者選抜等はWGで議論する方向が示された。
同小委では、今後、審議を重ねた上で、夏前には中間報告を取りまとめる予定にしている。
小委の委員は次の通り。
▽黒田壽二(主査)、▽平野眞一名古屋大総長(主査代理)、▽江上節子早稲田大大学院客員教授、▽佐藤弘毅(学)目白学園理事長、▽川嶋太津夫神戸大大学教育推進機構教授、▽黒田 薫(株)東レ経営研究所人材開発一部長、▽高祖敏明(学)上智学院理事長、▽小杉礼子(独)労働政策研究・研修機構統括研究員、▽島田Y子(学)文京学園理事長、▽舘 昭桜美林大大学院国際学研究科教授、▽田中毎実京都大高等教育研究開発推進センター長、▽濱口 哲新潟大副学長、▽濱名 篤(学)濱名学院理事長、▽安岡高志東海大理学部教授、▽山本眞一広島大高等教育研究開発センター長、▽吉田 文(独)メディア教育開発センター研究開発部教授