平成19年3月 第2266号(3月14日)
■堀氏ら11人に学士院賞 秀村、審良氏は恩賜賞も
日本学士院(長倉三郎院長)では十二日、二〇〇七年度の日本学士院賞を、秀村選三.九州大学名誉教授ら九件一一人に贈ることを決めた。秀村氏と審良静男・大阪大学微生物病研究所教授には恩賜賞も併せて贈られる。
秀村氏は鹿児島県・大隅半島の集落を舞台に幕末期の農村社会を、審良氏は自然免疫が病原体を認識する仕組みなどを解き明かした。
授賞式は六月に行われる。
受賞者と研究対象は次のとおり。(敬称略)
【恩賜賞・日本学士院賞】
秀村選三(ひでむら・せんぞう)
九州大学名誉教授、日本社会経済史、84歳。
「幕末期薩摩藩の農業と社会―大隅国高山郷士守屋家をめぐって―」。福岡県出身。
審良静男(あきら・しずお)
大阪大学微生物病研究所教授、免疫学、54歳。
「自然免疫による病原体認識とシグナル伝達」。大阪府出身。
【日本学士院賞】
杉山正明(すぎやま・まさあき)
京都大学大学院教授、東洋史学、55歳。
「モンゴル帝国と大元ウルス」。静岡県出身。
平 朝彦(たいら・あさひこ)
(独)海洋研究開発機構理事、地質学、60歳。
「プレート沈み込み帯の付加作用による日本列島形成過程の研究」。宮城県出身。
川路紳治(かわじ・しんじ)
学習院大学名誉教授、物理学、75歳。
「二次元電子系の実験的研究」。北海道出身。
山本 尚(やまもと・ひさし)
米国シカゴ大学教授、名古屋大学名誉教授、応用化学(有機化学)、63歳。
「有機典型元素化合物の高配位能を活用した化学反応性と物性の開拓」(共同研究)。兵庫県出身。
玉尾皓平(たまお・こうへい)
(独)理化学研究所フロンティア研究システム長、有機金属化学、有機合成化学、64歳。
山本氏との共同研究。香川県出身。
堀 幸夫(ほり・ゆきお)
金沢工業大学副学長、機械工学・トライボロジー、79歳。
「トライボロジーに関する研究」(共同研究)。東京都出身。
加藤康司(かとう・こうじ)
東北大学大学院教授、機械工学・トライボロジー、63歳。
堀氏との共同研究。山形県出身。
丸山利輔(まるやま・としすけ)
石川県立大学学長、灌漑排水学、73歳。
「蒸発散と流出機構に基づく広域水需給分析に関する研究」。岐阜県出身。
宮下保司(みやした・やすし)
東京大学大学院教授、生理学、57歳。
「連想記憶ニューロンの発見と大脳認知記憶システムの解明」。東京都出身。