平成19年3月 第2265号(3月7日)
■学校教育法改正等でヒアリング 私大団体連が意見発表
中央教育審議会(山崎正和会長)は、去る二月二十七日の大学分科会と二十八日の教育制度分科会・初等中等教育分科会において、政府が今国会へ提出を目指す教育関連三法案の改正の方向について関連団体からのヒアリングを行った。
大学分科会での学校教育法の改正の方向(高等教育関係)のヒアリングに臨んだ日本私立大学団体連合会の白井克彦副会長は、@学校種の目的及び目標の見直し等について、学校教育法では、教育基本法の趣旨を具現化し、例えば社会への情報提供、社会との教育研究の連携なども明記すべき、A学校の評価及び情報提供について、私立大学として反対の理由はない、B大学等の履修証明制度の創設について、具体的な意図と実行方法が不分明であり、その目的、制度設計、運用方法などが詳らかにならない限り賛同できない。現行の科目等履修生、聴講生、あるいは各大学で定める研究生の位置づけと深刻な齟齬が生じることを危惧する、と意見を述べた。
一方、教育制度分科会・初等中等教育分科会での学校教育法、教育職員免許法、地方教育行政法等の改正の方向のヒアリングに臨んだ同連合会高等教育改革委員会の清水 司委員(元中教審会長)は、@学校教育法改正に関して、五〇年、一〇〇年後、日本の将来がどう動くかという議論が抜けている。大事なことは「学力」ではなく「考える習慣」を身につけさせることであるとの強い信念を表した。そのほか、A教育職員免許法改正に関して、開放制教員養成制度堅持の立場から適当ではないとした。免許更新制度が分限免職等の懲罰制度と表裏をなしているように感じられるが、知識や技術の刷新と懲罰とは別次元の事がらであり、同一に論じることは適切ではないと述べ、さらに、B地方教育行政法改正に関して、建学の精神の下で多様な教育を行う私立学校を公立学校と同様に一律に指導することは反対であること、教育委員会の指導・助言・援助を受けることなく、私立学校の自主性を尊重し、現行通り知事部局が所轄することが望ましいとの意見を述べた。