平成19年2月 第2263号(2月21日)
■全ての人にスポーツを
一九三五(昭和十)年の亥年生まれの私に、教育学術新聞から「亥年の弁」の原稿依頼があった。それにより、今年はこの世に生を受けて六回目の年男であることを自覚したと同時に、歳月の流れのあまりの早さに驚かされているところである。
さて、本学は創業一二八年を迎えた学校法人朴沢学園により一九六七(昭和四十二)年に創設され、本年で四〇周年を迎えた東北・北海道における私学としては唯一の体育系の単科大学である。平成十年に開設した大学院スポーツ科学研究科のほか、現在の体育学部体育学科、健康福祉学科、運動栄養学科に加え、四月からは新たにスポーツ情報マスメディア学科を立ち上げて、一学部四学科体制でスタートすることになっている。それらのことから、本学にとっては、本年は一つの大きな節目の年とも言えるのである。
大学開学当初は体育学科のみであったが、平成七年に健康福祉学科、平成十五年に運動栄養学科、さらに本年四月から前述のスポーツ情報マスメディア学科を開設することとしている。このことは朴澤泰治理事長による、旧来の体育学部という枠組みにとらわれず、「スポーツと健康」を一つの学問領域ととらえ、それぞれの人材育成を図ろうとすることによるものである。
したがって、本学は「スポーツ・フォア・オール〜スポーツは健康な人のためだけではなく全ての人に〜」を教育理念として、体育大学として医学領域以外のすべての身体的動作・機能に関するスポーツ科学領域の研究と、指導者の育成に力を注いできたところである。具体的には、トップアスリートの競技力向上から、少子高齢化社会における「健康」へのニーズに的確に対応できる内容の研究と指導者の育成に全学を挙げて取り組んできた。
一方、学科の増設等に伴い新しい教職員も増加していることなどから、四〇周年を迎えたこの機会に建学の精神・理念・使命・目的等の再認識、共通理解の必要性を求める声が多くあり、それらのことにも積極的に対応することとしている。その際、具体的な教育研究の内容がその使命・教育目的に沿っているかの見直し、各学科とも時代の要請に応じられる人材の養成ができるように内容の充実を図る等、私学にとってはたいへん厳しい時代となっている。
さまざまな分野で教職員と学生が力を合わせ、魅力ある体育系の大学としての基盤をいっそう確立するべく努力をし、次なる五〇周年に向けての礎の年にしたいものと決意を新たにしているところである。