平成19年2月 第2263号(2月21日)
■大学法人の90.4%が一般公開 18年度学校法人の財務情報等公開状況調査
閲覧資料の複写は19.6%、閲覧資料の説明は48.6%で対応
文部科学省は、このほど所轄学校法人における財務情報等の公開状況の調査結果(平成十八年十月一日現在)を公表した。調査の範囲は大学、短期大学または高等専門学校を設置する文科大臣所轄の六六四学校法人で、調査項目は財務情報等の一般公開の状況や私立学校法に基づく財務書類等の閲覧の対応状況など。調査結果の主な概要は、インターネットのホームページへの掲載や広報誌等の刊行物への掲載、学内掲示板等への掲示などの方法で一般公開をしている割合が八六.三%であった。特にインターネットによるものが前年度より九一法人増であり、全体の四八.六%であった。また、一般公開の内容では、財産目録またはその概要や監事の監査報告書等で大幅な改善が見られるものの、五〇%以下の公開状況となっている。
【財務情報等の一般公開の状況】(注:大学法人とは、大学を設置している学校法人)
(1)一般公開の状況・方法
公開している法人数=大学法人四七〇(九〇.四%)、短大法人等一〇三(七一.五%)
公開方法=@ホームページに掲載=大学法人二八八(五五.四%)、短大法人等三五(二四.三%)、A広報誌等の刊行物=大学法人三六九(七一.〇%)、短大法人六六(四五.八%)、B学内掲示板等=大学法人五九(一一.三%)、短大法人二八(一九.四%)〈複数回答〉となっており、インターネットのホームページへの掲載が昨年度と比較して一三.四%増加している。
(2)一般公開の内容
財務情報等の一般公開をしている内容をみると、財産目録またはその概要が二八五法人(四二.九%)、貸借対照表または概要が五一九法人(七八.二%)、収支計算書または概要が五四八法人(八二.五%)、事業報告書または概要が三二二法人(四八.五%)、監事の監査報告書が二七三法人(四一.四%)〈重複回答〉となっている。
同調査によればそのほか一般公開に当たっての工夫をしている法人は四四四法人(六六.九%)であった。
【財務書類等の閲覧の対応状況】
(1)閲覧に当っての便宜
私立学校法の規定に基づく財務書類等の閲覧に当たって、求めに応じて閲覧資料の複写を認めているのは一三〇法人(一九.六%)、求めに応じて説明をしているのは三二三法人(四八.六%)であった。
(2)閲覧資料の要求に対する対応状況
利害関係人に対する閲覧は、すべての学校法人が行っているが、閲覧対象者の範囲を制限せずに閲覧を行っているのは九八法人(一四.八%)となっている。
(3)事業報告書の内容
事業報告書は、財務書類の背景となる学校法人の事業方針やその内容を分かりやすく説明し、理解を得るためのものであり、その記載項目は各学校法人が適切に判断すべきものとなっているが、その記載事項の状況は、@学校・学部・学科等の入学者数を記載=三七四法人(五六.三%)、A学校・学部・学科等の在籍者数を記載=六一〇法人(九一.九%)、B当該年度の主な事業の目的・計画四八八法人(七三.五%)、C入試に関する状況二五三法人(三八.一%)、D卒業・修了、学位授与数等の状況一三九法人(二〇.九%)〈複数回答〉などとなっている。