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平成19年1月 第2260号(1月24日)

武蔵野音大学
  第60回ミッドウエストクリニックに参加

 武蔵野音楽大学(福井直敬理事長・学長)のウインドアンサンブル総勢五八名は、平成十八年十二月十六日、「第六〇回ミッドウエストクリニック」に参加するため、成田空港からアメリカ・シカゴに向け出発した。
 ウインドアンサンブルのメンバーは、管楽器・打楽器専攻の三年次生、四年次生から選抜される。(写真上はウインドアンサンブル、指揮者:レイ・E・クレーマー氏。同大学で。)
 ミッドウエストクリニックは、毎年十二月にアメリカ・シカゴで開催され、吹奏楽に関係する作曲家、指揮者、ディレクター、演奏団体、楽器・楽譜製作会社などが世界中から集まる最も権威あるクリニックで、今年で六〇回を迎える。
 シカゴヒルトンホテルを主会場としたホテル周辺は、期間中、音楽が溢れ、参加した人々は多大なインパクトを受け、新たなインスピレーションを得ることができる。日本の吹奏楽界もこのクリニックから大きな影響を受けている。
 ミッドウエストクリニック会長のレイ・E・クレーマー氏は、アメリカで最も優れた音楽学部として、評価されているインディアナ大学で、二〇〇五年まで吹奏楽科主任教授並びにバンドディレクターとして活躍した。
 武蔵野音楽大学では、一九九五年に同氏をウインドアンサンブル指導の客員教授として迎えている。
 クリニックの第一日目は、最も実力のあることで知られているアメリカ空軍バンドの演奏で、超満員の聴衆を魅了した。その余韻も醒めやらぬ二日目の夜に、武蔵野音楽大学が二回公演を行った。一つの団体が二回の公演を行うこと自体が異例のことであり、最も注目を集める二日目に公演が設定されたことは、去る一九九五年に演奏して高い評価を受け、関係者の間で語り継がれてきたことにもよるとみられる。また、今回のプログラムには、現在アメリカで作曲家として活躍中のロン・ネルソン氏による同大学委嘱作品が組まれていること、ソリストにはシカゴ交響楽団トランペット首席奏者クリストファー・マーティン氏も加わるなど、センセーショナルな話題もあって、今回の公演に対する期待が大きかったようである。
 演奏が始まる前のチューニングで、クラリネットの一本の音に他の楽器の音が加わっただけで、会場は期待に満ちたざわめきがおきた。プログラムが進むに従って会場からの拍手も熱を帯び、ブラボーの声も飛び交うようになってきた。指揮者と演奏者が一体となった演奏が深い感動をもたらし、後半になると一曲ごとに観衆のスタンディングオベーションによって賞賛を受け、終演後はステージ前に多くの聴衆が押し寄せ賛辞と万雷の拍手が送られた。
 「ミッドウエスト六〇年の歴史のなかでこんなに感動的な演奏はなかった。個人のテクニック、緻密なアンサンブル、イントネーション、サウンドそして豊かな表現は完成された高いレベルのものであった」というコメントに代表されるように多くの評価が寄せられ、学生たちは達成感と感激に浸った。今回貴重な体験をした学生たちにとっては、今後の人生に大きな自信につながるものと思われる。

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