平成19年1月 第2259号(1月17日)
■身長、体重は横ばい傾向「学校保健統計調査」
文部科学省は平成十八年十二月二十一日、平成十八年度学校保健統計調査速報を発表した。調査対象は満五歳から一七歳までの児童、生徒及び幼児の一部(抽出調査)。調査事項は児童等の発育状態及び健康状態。
1、発育状態
▽身長
男子の身長(全国平均値。以下同じ)は、八歳、一二歳、一五歳及び一七歳の各年齢で前年度の同年齢より増加した。その他の年齢では、一〇歳、一三歳及び一四歳の各年齢で前年度より減少した。
女子の身長は、一〇歳及び一一歳の各年齢で前年度の同年齢より増加した。その他の年齢では、五歳、八歳及び一四歳で前年度より減少した。
親の世代(三〇年前の昭和五十一年度の数値。以下同じ)と比較すると、最も差がある年齢は、男子では一二歳で三・七p高い。女子では一一歳で二・六p高い。
一七歳(昭和六十三年度生まれ)の年間発育量は、男子では一一歳から一二歳時に発育量が著しく、一一歳時に最大の発育量を示した。女子では、九歳から一〇歳時に発育量が著しく、最大の発育量を示した。最大の発育量を示す年齢は、女子の方が男子に比べ二歳早い。
▽体重
男子の体重(全国平均値。以下同じ)は、一七歳で前年度より増加し、過去最高となった。その他の年齢では、六歳、七歳、一〇歳、一一歳及び一三歳から一六歳で前年度より減少した。女子の体重は、一六歳で前年度の同年齢より増加した。その他の年齢では、六歳、八歳から一〇歳及び一三歳から一五歳で前年度より減少した。
一七歳(昭和六十三年度生まれ)の年間発育量は、男子では一一歳から一四歳時に発育量が著しく、一一歳時に最大の発育量を示した。女子では一〇歳から一一歳時に発育量が著しく、一〇歳時に最大の発育量を示した。
▽座高
男子の座高(全国平均値。以下同じ)は、五歳、一一歳、一二歳、一六歳及び一七歳の各年齢で前年度の同年齢より増加し、一六歳及び一七歳では過去最高となった。その他の年齢では、一〇歳及び一四歳の各年齢で前年度より減少した。
女子の座高は、五歳、一〇歳、一一歳、一三歳及び一五歳から一七歳の各年齢で前年度の同年齢より増加し、一六歳及び一七歳では過去最高となった。
2、健康状態
○疾病・異常の被患率等別状況
いずれの学校段階においても「むし歯」(う歯)」が最も高く、次いで「裸眼視力一・〇未満の者」の順だった。
○主な疾病・異常等の推移
「裸眼視力一・〇未満の者」の割合は、幼稚園二四・〇%、小学校二七・二%、中学校五〇・一%、高等学校五八・七%で、すべての学校段階で前年度より上昇した。年齢別にみると、「〇・三未満の者」の占める割合は年齢が進むにつれて高く、「裸眼視力一・〇未満の者」全体に占める割合も高い。
「鼻・副鼻腔疾患」(蓄のう症、アレルギー性鼻炎等)の者の割合は、幼稚園三・四%、小学校一二・一%、中学校一〇・七%、高等学校八・一%で、前年度と比べると、高等学校を除く各学校段階で上昇した。
「むし歯」の者の割合(処置完了者を含む。以下同じ)は、幼稚園五五・二%、小学校六七・〇%、中学校五九・七%、高等学校六九・九%で、幼稚園を除く各学校段階で前年度より低下した。割合の推移をみると、三〇年前(昭和五十一年度)にはすべての学校段階で九〇%を超え、一時上昇傾向にあったが、昭和五十年代半ば以降は低下傾向にある。
年齢別では、一七歳が七四・一%と最も高い。また、処置完了者の割合は、一〇歳以降未処置歯のある者の割合を上回った。
一二歳の永久歯の一人当たり平均むし歯等(喪失歯及びむし歯)数は、「喪失歯数」はほとんど変化がないが、「むし歯数」は一・七本で昭和五十九年に調査を開始して以降、減少傾向にある。また、一〇年前の平成八年度と比較すると一・八本減少した。
「心電図異常」の割合は、小学校で二・三%、中学校で三・四%、高等学校で三・五%で、前年度と比べると小学校では低下、中学校、高等学校では上昇した。
「寄生虫卵保有者」の割合は、幼稚園で〇・二%、小学校で〇・五%でこの一〇年間は低下傾向にある。
「ぜん息」の者の割合は、幼稚園二・四%、小学校三・八%、中学校三・〇%、高等学校一・七%で、前年度と比べると、高等学校以外の各学校段階で上昇傾向にある。
年齢別では、六歳から一二歳の各年齢で三%を超えており、六歳が四・二%と最も高い。なお、六歳以降は年齢が進むにつれて低くなる傾向にある。
○肥満傾向児及び痩身傾向児の出現率
肥満傾向児の出現率は、男子では九歳から一七歳で一〇%を超え、一五歳が一三・五%と最も高い。女子では一二歳及び一五歳で一〇%を超え、一二歳が一〇・二%で最も高い。
痩身傾向児の出現率は、男子では八歳から一七歳で一%を超え、一一歳が二・五%と最も高い。女子では八歳から一七歳で一%を超え、一二歳が三・六%と最も高い。
なお、平成十七年度までは、性別・年齢別に身長別平均体重を求め、その平均体重の一二〇%以上の体重の者を肥満傾向児、八〇%以下の者を痩身傾向児としていたが、十八年度からは、性別、年齢別、身長別標準体重から肥満度を算出し、肥満度が二〇%以上の者を肥満傾向児、マイナス二〇%以下の者を痩身傾向児とした。