平成19年1月 第2259号(1月17日)
■東北工大学
地域との融合の拠点「一番町ロビー」
東北工業大学(岩崎俊一理事長・学長)では、ユニバーシティスローガンである「創造から統合へ」を、さまざまな形で実現することの一環として、仙台市・一番町のビルの一角にサテライトキャンパス「一番町ロビー」を開設している。この場所は、仙台を代表する繁華街、東一番町に隣接するとともに、東北大学の本部がある閑静な文教地区、片平丁とも至近距離に位置しており、仙台市とはいっても、郊外の八木山にメインキャンパスがある同大学のサテライトとしては絶好のロケーションとなっている。
一番町ロビーは平成十五年十月に設けられ、一階のギャラリー&ラウンジ(約一〇〇u)と四階のホール(約一五〇u)の二フロアで構成されている。一階は街路側が全面ガラス張りの開放的な空間となっており、学生、教職員、卒業生らによる作品展示や各学科の教育内容のパネル展示及び入試相談などの広報活動、そして、時には弦楽四重奏などのサロンコンサートが行われている。四階は八〇人ほどが着席できる落ち着いた空間で、教員によるオープンカレッジ(市民公開講座)やリカレント講座などの生涯教育及び学会の研究発表会や同大学の地域連携産学プロジェクトの成果発表会などが行われている。いずれも大学と地域社会との融合(統合)を図る拠点としての役割を果たすことを第一の目標に運営されている。同大学における教育研究の成果を介して市民と学生や大学院生が語り合う姿からは、大学の教室・研究室の中では得られない、広い意味での社会教育の場としての可能性も垣間見ることができる。また、何といっても、入学志願者数が減少している昨今の大学を取り巻く厳しい環境の中で、同大学を社会にアピールする広告塔としての効果は計り知れない。
一番町ロビーは昨年十月に開設三周年を迎え、それまでのオープンカレッジの開講数は一二〇以上、展示会などの催し物は一〇〇回以上、そして、来館者数は一階が二万人、四階が一万人を超える(学生・教職員などの同大学関係者の割合三六%、一般市民の割合六四%)など、市民とともに歩む、まちの中の開かれた大学としてのイメージが徐々に浸透していっている。同大学では、今後も、この都市の中のキャンパス「一番町ロビー」を学内はもとより、市民から愛される存在として育てていきたいとしており、来仙の機会があれば気軽に立ち寄ってもらいたいとコメントしている。