平成18年12月 第2256号(12月13日)
■社会体育施設は4万8000施設 平成17年度社会教育調査報告書
社会教育行政に必要な社会教育に関する基本的事項を明らかにすることを目的とした、平成十七年度社会教育調査報告書が文部科学省から発表された。今回は平成十七年十月一日現在(ただし、事業実施状況及び利用状況等は平成十六年度間)の状況をまとめたもの。調査の概要は次のとおり。(カッコ内の△は減を表す)
一、施設数
平成十七年十月一日現在の社会教育関係施設の中で最も多いのは、社会体育施設の四万八〇〇〇施設で、次いで公民館(類似施設を含む。以下同じ。)一万八〇〇〇館、民間体育施設一万七〇〇〇施設の順だった。
また、前回(平成十四年度)と比べて最も増加したのは、社会体育施設の七〇〇施設増(伸び率一・六%)、次いで図書館二〇〇館増(同八・六%)、博物館類似施設二〇〇施設増(同四・一%)の順だった。一方、公民館は、前回より六〇〇館減(同△三・四%)であった。
社会教育関係施設における指定管理者(管理受託者を含む)の状況については、今回初めて調査した。
公立の施設数に占める割合では、公立の施設全体に占める割合は一四・三%、各施設のうち博物館及び博物館類似施設について種類別では、博物館では美術博物館が四二三館(博物館総数に占める割合三五・四%)で最も多く、次いで歴史博物館四〇五館(同三三・九%)、総合博物館一五六館(同一三・〇%)の順。また、前回と比べて最も増加したのは、美術博物館の四〇館増(伸び率一〇・四%)、次いで歴史博物館二二館増(同五・七%)、総合博物館一五館増(同一〇・六%)の順だった。
地方公共団体が設置した社会体育施設及び民間体育施設を種類別にみると、社会体育施設では多目的運動広場六九〇〇施設(社会体育施設総数に占める割合一四・四%)で最も多く、次いで体育館が六七〇〇施設(同一三・九%)、野球場・ソフトボール場六四〇〇施設(同一三・四%)の順だった。
民間体育施設ではゴルフ場が二三〇〇施設(民間体育施設総数に占める割合一三・五%)で最も多く、次いでゴルフ練習場二〇〇〇施設(同一一・八%)、水泳プール(屋内)一七〇〇施設(同一〇・〇%)の順だった。
二、職員数
教育委員会及び社会教育関係施設の職員数(専任、兼任、非常勤の合計)では、民間体育施設が二二万人で最も多く、次いで社会体育施設一〇万人、公民館五万六〇〇〇人の順。また、前回と比較すると、最も増加したのは、図書館の三四〇〇人増(伸び率一二・四%)で、次いで社会体育施設の一三〇〇人増(同一・四%)だった。一方、最も減少したのは、民間体育施設の九七〇〇人減(同△四・二%)で、次いで教育委員会四二〇〇人減(同△一〇・六%)、公民館一六〇〇人減(同△二・八%)だった。
三、学級・講座の状況
平成十六年度間に教育委員会、都道府県知事部局・市町村長部局及び社会教育関係施設が実施した学級・講座(一定期間にわたって、組織的・継続的に行われる学習形態)の状況をみると、公民館四九万一〇〇〇件(伸び率三八・七%)、都道府県知事部局・市町村長部局は二〇万八〇〇〇件(同△九・八%)、教育委員会は一六万五〇〇〇件(同△一・七%)、文化会館五万七〇〇〇件(同三・二%)の順だった。
学級・講座の件数の学習内容別では、教育委員会では「教養の向上」が七万二〇〇〇件(学級・講座総数に占める割合四四・〇%)で最も多く、次いで「家庭教育・家庭生活」三万五〇〇〇件(同二一・五%)、「体育・レクリエーション」二万六〇〇〇件(同一六・〇%)の順だった。
都道府県知事部局・市町村長部局では「家庭教育・家庭生活」が七万四〇〇〇件(同三五・七%)で最も多く、次いで「教養の向上」四万九〇〇〇件(同二三・五%)、「市民意識・社会連帯意識」三万件(同一四・六%)の順だった。
公民館では「教養の向上」が二九万二〇〇〇件(同五九・五%)で最も多く、次いで「体育・レクリエーション」六万六〇〇〇件(同一三・四%)、「家庭教育・家庭生活」四万六〇〇〇件(同九・三%)の順だった。
青少年教育施設では「教養の向上」が一万二〇〇〇件(同七四・六%)で最も多く、次いで「体育・レクリエーション」二〇〇〇件(同九・二%)、「家庭教育・家庭生活」一〇〇〇件(同七・五%)の順だった。
女性教育施設では「教養の向上」が四〇〇〇件(同五〇・六%)で最も多く、次いで「家庭教育・家庭生活」二〇〇〇件(同二九・五%)だった。
四、諸集会の状況
平成十六年度間に教育委員会、都道府県知事部局・市町村長部局及び社会教育関係施設が実施した諸集会の状況では、実施件数では民間体育施設が六一万一〇〇〇件で最も多く、次いで、社会体育施設一五万件、公民館一三万八〇〇〇件の順。また、前回と比べて最も増加したのは、図書館が一万一〇〇〇件増(伸び率一八・二%)で、次いで教育委員会一万一〇〇〇件増(同三五・一%)、社会体育施設四〇〇〇件増(同二・八%)だった。
五、民間社会教育事業者との連携・協力状況
平成十七年度調査より、民間非営利社会教育事業者との連携・協力状況を新たに調査した。
教育委員会及び社会教育関係施設において実施した事業のうち、民間社会教育事業者に委託した割合は、学級・講座等の事業総数に占める割合は三・〇%、各施設のうち最も高いのは社会体育施設の九・六%で、次いで教育委員会の四・八%、図書館、博物館類似施設の二・六%の順だった。
六、研修の実施状況
平成十六年度間に教育委員会が実施した指導者研修の状況をみると、有志指導者(民間団体等の指導者)を対象とするものが最も多く、実施件数は四〇〇〇件で、参加者数は三一万三〇〇〇人。また、前回と比べて実施件数、参加者数は各対象で減少。平成十六年度間に都道府県知事部局・市町村長部局が実施した指導者研修の状況では、前回と比べて参加者数は減少した。
七、施設別利用者数
平成十六年度間の社会教育関係施設の利用者数(当該施設が主催又は共催した学級・講座及び諸集会の参加者数を除く。)は、社会体育施設が四億六六六一万七〇〇〇人で最も多く、次いで公民館二億三三一一万五〇〇〇人、図書館一億七〇六一万一〇〇〇人。また、前回と比べて最も増加したのは図書館二七五一万一〇〇〇人増(伸び率一九・二%)、次いで、社会体育施設の二六〇二万七〇〇〇人増(同五・九%)だった。
博物館及び博物館類似施設の入館者数の種類別では、博物館では美術博物館三三四七万二〇〇〇人(入館者総数に占める割合二八・四%)が最も多く、次いで、動物園一八一九万七〇〇〇人(同一五・四%)の順。また、前回と比べて最も増加したのは美術博物館五四〇万一〇〇〇人増(伸び率一九・二%)で、次いで野外博物館の一三二万五〇〇〇人増(同九七・三%)だった。