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平成18年12月 第2256号(12月13日)

産学官でイノベーションを 第6回産学官連携サミット

 内閣府等関係機関は、去る十一月二十日、安倍内閣になって初の産学官連携サミットを開催した。産学官のトップが交流を行う同サミットは本年で六回目。ウィリアム・ミラー元スタンフォード大学副学長の特別講演、各界のスピーカーによるパネルディスカッション等が行われた。

 はじめに、高市早苗特命担当大臣(科学技術政策・イノベーション)は、基調講演の中で、総合的な政府の科学技術方針について解説した。昨今の科学技術政策では、イノベーションの創出が重要課題となっており、産学官の連携においても期待されている。第三期科学技術基本計画の中でもその重要性が盛り込まれ、安倍内閣では、二〇二五年までのイノベーション長期戦略指針「イノベーション25」を打ち出したばかりである。高市大臣は最後に、「イノベーションの創出において、産学官の本格的な協働が重要だ」と述べた。
 続いて、ミラー元副学長と庄山悦彦日本経済団体連合会副会長が特別講演をし、イノベーション創出の取り組みについてそれぞれ述べた。ミラー元副学長は、昨今の大学を取り巻く環境の変化とスタンフォード大学の研究・教育政策について解説した。その中で、「大学は何を商業化すべきか、すべきではないかのバランスが重要」と述べた。庄山副会長は、イノベーションの創出には人材育成等の「ボトムアップ」によるアプローチと、技術の国際標準化等の「トップダウン」によるアプローチが必要である、と述べた。
 続いて、小宮山宏東京大学総長、石川嘉延静岡県知事、西岡郁夫元インテル株式会社会長、阿部博之総合科学技術会議議員、笠見昭信東芝常任顧問、ミラー元副学長によるパネルディスカッションを行い、会場を巻き込んで議論した。最後にモデレータの黒川 清内閣特別顧問が、「日本の大学は大相撲のように、どんどん外国人を入れて国際化をしていかなければならない」と強調した。
 その後、会場を移しての交流会が行われ、活発な情報交換が行われた。

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