平成18年11月 第2254号(11月22日)
■私立高専協会が季総会 平成17年度収支決算の承認など
日本私立高等専門学校協会(会長=神野 稔近畿大学工業高等専門学校長)は、去る十一月七日、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷において第八六回秋季総会を開催した。
神野会長は、まず、出席者に御礼を述べるとともに、私立高専を巡る課題は山積しているが、建学の精神に基づく人間教育と中堅技術者の養成に全力を尽くしたい。共通理解を深め一層の躍進の契機となることを念願していると挨拶した。
議事に入り、平成十七年度収支決算及び春季総会で提案された会則の改正等について協議し、満場一致で承認した。
続いて、文部科学省専門教育課の永山裕二課長より「高等教育を含めた高専を取り巻く諸情勢」の解説があった。
同氏は、今後予想される課題として、学校教育基本法改正案にも盛り込まれる高専の目的規定の在り方、中間目標設定問題を抱える国立高専の動向、来年度政府予算の概算要求関連として、「現代的課題に対応できる人材養成と大学の多様な機能の展開のプログラム」・「ものづくり技術者育成支援事業」(新規)について解説を行うとともに、これらについての私立高専の多くの申請努力に期待していると語った。
次に、黒田壽二金沢工業大学学園長・総長から、競争的資金獲得への申請機会を増やしていただいたことへの感謝が述べられ、採択への善処方についての要望が行われた。
その後、意見交換に移り、神野会長からは、近畿大学高専の産官学連携に係わる取り組み事例について、小島 勉サレジオ高専副校長からは、東京・新宿区から八王子市に移転して二年目にもかかわらず、高専と地域との連携に確かな手ごたえを感じていること、山田弘文金沢高専校長からは、高専教育と社会(地域)貢献との整合性や、高専と専攻科との接続のあり方などについて紹介があり、活発な議論が展開された。
最後に、小出秀文事務局長から、同協会元会長フランス・ヘンドリックス氏(元育英工業高専学校長)が瑞宝中綬章を受章されたことなどが報告された。
次回の総会(春季)は、関西において開催することを申し合わせた。