平成18年11月 第2252号(11月1日)
■若手教員の割合は私大21.2% 「大学等における科学技術学術活動実態調査」
科学技術政策研究所では、大学等(国公私立大学及び大学共同利用機関)を通じた研究活動の振興に係る科学技術・学術政策に必要な基礎資料を得るため、若手研究者の自立支援、女性教員の活躍促進、定年後の教員の能力活用、研究上の不正行為への取り組み状況などの調査を本年度初めて行った。
このたびの調査対象の国立大学・公立大学からは一〇〇%、私立大学からは九二・六%及び大学共同利用機関法人一〇〇%の回答が得られた。
教員数に占める三七歳以下の若手教員の割合は、二一・七%であり、私立大学は二一・二%、国立大学は二二・二%、公立大学は二二・一%であった。さらに、若手教員に占める女性教員の割合は二五・二%であり、私立大学は三〇・八%となっている。
一方、教員全体に占める女性の割合については一六・六%であり、私立大学は一九・五%、国立大学は一六・六%、公立大学は二三・四%となっている。私立大学の職名別女性教員の割合は、@学長:七・五%、A副学長:五・九%、B教授:一一・七%、C助教授:二一・八%、D講師:二五・八%、E助手:二九・九%となった。女性教員の割合や採用の数値目標に関して全学的な数値目標等の設定を行っているのは、国立大学で一七・四%、私立大学では一・二%であった。
外国人の割合は三・六%であり、私立大学で四・三%、国立大学で二・五%、公立大学で三・二%となった。外国人教員の活躍促進のための行動計画について全学的または特定の部局において策定されているのは、私立大学で四・二%、国立大学で一六・三%、公立大学で二・七%である。
続いて、教員のうち当該大学の学部を卒業した者の割合は、私立大学で二三・一%、国立大学で三二・六%、公立大学で二二・三%であった。私立大学の職名別では、@学長:八・一%、A副学長:七・六%、B教授:一一・〇%、C助教授:一五・七%、D講師:二七・〇%、E助手:五四・七%であった。
採用・転入研究者(教員及び医局員・その他の研究員)に占める新規採用者及び転入研究者の異動元の割合は、私立大学で八〇・五%、国立大学で九三・二%、公立大学で八〇・五%で、私立大学の詳細は、@新規採用:二八・六%、A会社:六・八%、B非営利団体:九・九%、C公的機関:七・三%、D大学等:三四・九%、Eその他:一二・五%となっている。
国立大学においては、定年後の教員を雇用するため特任教員・特任教授の制度が多くの大学で設けられているほか、定年後も教育に携わっていくことができるよう非常勤講師の上限年齢の引き上げを行うなどの事例が見られるなど、約八割の国立大学において定年後の教員の能力活用のための取組が行われている。
研究上の不正行為への対応に関する方針、基準、規則等については、私立大学九・四%、国立大学二〇・九%、公立大学八・二%が有している。また、不正告発対応窓口については、私立大学八・八%、国立大学三二・六%、公立大学五・五%で設置されている。
また、研究本務者の専門別内訳は、私立大学では、理工農一九・八%、保健三五・四%、人社三五・八%となっている。また、研究本務者のうち教員の割合は六二・九%であり、私立大学七六・一%、国立大学四九・九%、公立大学六七・九%となっている。国立大学については、大学院博士課程の在籍者数の割合が高くなっているため、四九・九%と低くなったと考えられる。
内部使用研究費の内訳について、私立大学では@人件費:六九・二%、A有形固定資産購入費:一〇・三%、B原材料費:四・八%、Cリース費:一・〇%、Dその他経費:一四・七%であった。外部受入研究費の割合については、私立大学では、@国:六七・八%、A会社:一五・六%、B特殊法人:六・一%、C研究所等:三・六%、D非営利団体:三・五%、E地方公共団体:一・二%等となっている。