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平成18年10月 第2250号(10月18日)

金子量重氏の受章を祝う 
  三笠宮さまと座談会も

 本紙「教育学術新聞」において、昭和五十五年五月発行の第一一四五号から翌々年三月発行の第一二一一号まで、「日本とアジア―生活と造形」をテーマに連続七一回の座談会を特集した民族造形学の金子量重氏が紺綬褒章を受章した。
  「教育学術新聞」紙上では、第一一四五号「エジプト発掘」で考古学者の吉村作治氏、第一一四八号「西アジアの古代文化」で古代オリエントにご造詣の深い三笠宮崇仁親王殿下など、各界の研究者を毎回迎えての精力的な座談会が開かれた。
  同氏は、過去四〇年間に約四〇〇回にわたってアジアのほぼ全域をフィールドワークし、「アジアはひとつ」ではないことを確認するとともに、諸民族の生活文化を訪ね歩き、貴重な資料を収集した。そして、それらを基盤に「民族造形学」(衣・食・住・祈り・学び・遊び・芸能・生産・交易)という新しい学問を確立した。
  その間に収集した膨大な資料は、昨年十月に開館したばかりの九州国立博物館と韓国国立中央博物館に寄贈され、それぞれ「金子量重記念室」「金子量重寄贈室」を開設している。さらに今年六月には、新設のベトナム民族学博物館アジア館へも寄贈されている。
  これらの功績から同氏は紺綬褒章を受章し、去る九月十五日、東京・神谷町の虎ノ門パストラルにおいて受章記念祝賀会が開かれた。当日は、国内外の関係者らが集まり、同氏の受章を称えた。日本私立大学協会からは、当時の「教育学術新聞」の編集長であった原野幸康氏(現・恣本高等教育評価機構専務理事・事務局長)が出席して祝辞を述べた。
  なお、「教育学術新聞」での連続対談は「日本とアジア 生活と造形(全八巻)」(学生社)にまとめられている。そのほか「アジアの民族造形(全三巻)」(毎日新聞社)など著書は多数。

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