平成18年10月 第2249号(10月11日)
■岐阜女子大学
仮設住宅を竹で造る「竹取物語」プロジェクト
女子大生が、竹で仮設住宅を造る―昨年度より、岐阜女子大学(堀 幹夫学長)の家政学部生活科学科住居学専攻の学生たちによる自主的な活動である「竹取物語」プロジェクトが進行している。
同専攻の学生たちは、「理論だけではなく、実際に建築をして実践的な研究をしたい」との思いから、平成十七年度から十八年度にかけて、学内に手づくりの実習棟を造り上げていた。こうした実践的な活動の第二弾として、学生たちは、学内の手入れが必要であった広い竹林に注目。一方、大学側も、放置されて周囲の生態系を乱していた竹林の整備・活用計画を住居学専攻に依頼したことで、学生の実践的活動として、竹を材料とした仮設住宅の開発に取り組むこととなった。
プロジェクトは昨年十二月より開始、夏休みには中越地震の被災地を訪れ、仮設住宅について現地調査を行った。学生たちも、「実際の現場で使えるしっかりとした仮設テントや住宅を造りたい」、「みんなのアイディアや知恵を持ち寄って地域の役に立つものを造りたい」など非常に意欲的。今後は、トンネル型・ドーム型等様々な形の仮設テント等の試作をしながら改良を重ね、最終的には五〇平方メートル程度の1LDK仮設住宅を開発。将来的には、協力企業を探して、商品化の可能性を模索していく。
学生たちは、同時に、老人ホーム等を訪問し、収穫した筍を配布したり、近隣の住民に竹を使った遊具教室を開いたり、竹炭を作って大学祭で販売するなど、「竹」の利用を中心とした地域貢献も行っている。