平成18年10月 第2249号(10月11日)
■児童生徒の暴力行為 加害者の約半数が中3・中2
文部科学省は先ごろ、平成十七年度における児童生徒の問題行動等の状況について公表した。そのうち、暴力行為の発生件数は、学校内が三万二八三件(前年度三万二二件)、学校外が三七三五件(同四〇〇〇件)で、学校内が前年度より若干増加し、学校外が五年連続の減少となった。概要は次のとおり。
公立の小学校・中学校・高等学校の児童生徒が起こした暴力行為の発生件数は、学校内において三万二八三件(小学校二〇一八件、中学校二万三一一五件、高校五一五〇件)、学校外において三七三五件(小学校一五八件、中学校二六八一件、高校八九六件)で、前年度より学校内が二六一件の増加、学校外が二六五件の減少となっている。形態別では、小学校・中学校・高等学校いずれも、けんかによる怪我や計画的な暴行といった「生徒間暴力」が一万七五六五件(小学校一〇七三件、中学校一万二九六〇件、高校三五三二件)と最も多く、以下、学校の施設設備や飼育動物等を故意に傷つける「器物損壊」が八八三九件(小学校六五九件、中学校六八八八件、高校一二九二件)、教師の胸ぐらをつかんだり椅子を投げつけるなど、教師に故意に怪我を負わせる「対教師暴力」が五〇三二件(小学校四六四件、中学校三九六七件、高校六〇一件)、通行人に怪我を負わせたり学校の来賓を足蹴りにするなどの「対人暴力」が一三四三件(小学校五七件、中学校九二一件、高校三六五件)となっている。
加害児童生徒数は三万七一八六人(小学生二一九五人、中学生二万七一五五人、高校生七八三六人)で、なかでも中学三年生が一万一一九七人、中学二年生が九八八〇人と、全体の半数以上(五六・七%)を占めている。加害児童生徒のうち、小学校では一・四%、中学校では二・三%、高等学校では八六・五%の児童生徒が学校において何らかの措置を受けており、その内訳は、小学校・中学校では「訓告」が、高等学校では「自宅学習・自宅謹慎等」が最も多くなっている。なお、小学校・中学校において出席停止の措置がとられた件数は四三件(小学校一件、中学校四二件)で、前年度より一八件の増加となっている。