平成18年10月 第2248号(10月4日)
■イノベーションを推進
高市早苗科技政策等担当大臣に聞く
九月に発足した安倍晋三内閣の新しい科学技術政策、イノベーション、食品安全、沖縄及び北方対策、少子化・男女共同参画の担当大臣に就任した高市早苗衆議院議員にインタビューを行った。科学技術に関する概要は次のとおり。
「イノベーション」は国民にとって、何のためにするのか、何のメリットがあるのかよく分からないと思う。二〇二五年という長い目標を設定して、その時点で国民の生活がどうなるのかというイメージを分かりやすく伝えたい。例えば、イノベーションが進むことで、育児しながら共働きをする夫婦の家事を楽にするとか、高齢者や子どもたちの防犯対策、ITの高度化により障害者の就業の機会も多様に広げ、在宅で仕事ができるようにする。また、セキュリティ対応も進め、交通事故も減らしていく。国民に、実現可能なイメージを作り出していきたい。
こうしたイノベーションを行うに当たり、いくつかの社会構造の変革が必要になる。例えば、知的財産権の保護は重要であるし、優秀な外国人研究者の出入国に関わる手続きの制度改革も必要になる。経済産業省には基礎的・応用研究も含めて資金調達やベンチャーの資金面での支援や税制上の配慮もお願いしたい。
科学人材の育成については、科学オリンピックは是非応援したい。世界中から優秀な子どもたちが集まってきて、滞在期間に日本のことを好きになって、将来日本の学校で勉強したいと思ってもらうなど、副次的な効果もあるだろう。
学校教育の現場については、安倍総理が、外国の教科書を手に取られて大変感心されていた。外国の教科書の教材や教え方のノウハウも研究を進め、教員養成を頑張って欲しい。私学に対しても情報提供を行っていくことが必要である。
「イノベーション25」の推進に当たっては、内閣府の中にイノベーションの特命室を立ち上げ、ビジョンとロードマップを描く作業を行う。来年の二月末を目処に目指すべきイノベーションの姿を取りまとめたい。そして、五、六月には分野ごとに細かい目標を出せるようにしたい。