平成18年10月 第2248号(10月4日)
■宇治“修旅生”プログラム 京都文教大ほかが開発
京都文教大学(樋口和彦学長)では、宇治市観光協会、ジェイティービー、ベネッセコーポレーションと連携して、高等学校を中心とした修学旅行生を対象に、宇治でフィールドワーク体験ができる「宇治現地プログラム」を開発し、九月から受け入れを始めた。
近年、修学旅行の形態・行き先が多様化する一方で、修学旅行本来の目的である「学びへの期待感を高めるための場」として修学旅行をとらえる傾向も強くなっていることから、今回、同大学人間学部の文化人類学科の教員と学生が中心になって、高校側の希望を具体化した。
プログラムは、平等院や宇治上神社などの世界遺産、お茶、源氏物語、鵜飼、陶芸などの宇治の文化と歴史を題材としたものや、地元商店街や観光開発の方向性について考えるものなど計一〇コースからなり、地域の人々へのインタビューや実体験を通じて、文化の継承と地域の関わりなどについての「気づき」を修学旅行生に提供するものとなっている。
同大学は事前学習のためのワークシートや資料を作成するほか、当日は班ごとに大学生が案内・引率しながら、フィールドワークについてのアドバイスを行っていく。また、プログラムの最後に同大学の教室を使ってまとめ学習を行い、文化人類学科の教員や大学生が修学旅行生といっしょにワークショップを行う。本年度は、北海道、東北、関東エリアの高等学校三校、約五〇〇名を受け入れる予定。
橋本和也文化人類学科長・教授の話「地域貢献と学習・研究活動の活性化が同時に実現でき、大変喜ばしい」